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「物足りないです」 日本人の親切さ実感したドイツ人女性が寂しさを感じてしまったワケ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ドイツ人のキャロラインさん【写真:Hint-Pot編集部】
ドイツ人のキャロラインさん【写真:Hint-Pot編集部】

 外国人観光客が感激する、日本人のおもてなし精神。丁寧な接客や通りすがりに助けてもらった経験などから、「もっと日本人とコミュニケーションしたい!」と感じる訪日外国人は少なくありません。スイスから初訪日したドイツ人女性も、日本人との交流を楽しもうとしましたが、少し物足りなさを感じてしまったようです。いったい、どうしてなのでしょうか。

 ◇ ◇ ◇

北海道や沖縄の豊かな自然を堪能

 スイスからやってきたドイツ人のキャロラインさん。スイスに移住してしまうほど自然が大好きで、今回の訪日は日本の豊かな自然を楽しむため1か月ほど滞在。北海道や沖縄にも足を運んだといいます。

「北海道はとても素晴らしかったです。それから、沖縄もとてもきれいでしたね」と話し、北海道の旭岳での登山、沖縄で見たエメラルドグリーンの美しい海やサトウキビ畑の思い出を振り返りました。

 日本人の印象は、「とても親切」だとキャロラインさんは話します。各地をめぐるなかで、日本人のおもてなし精神を実感したそうです。

「みんなが私たち観光客を歓迎してくれているのを感じます。道に迷っている様子だと、声をかけて助けてくれました。さまざまな場所で、みなさん興味を持って接してくれるし、親切にしてくれるのがうれしかったです」

「英語を話せる日本人がとても少ないことに驚き」

 日本人の親切さや歓迎してくれる姿に、もっと交流を楽しみたいと感じたキャロラインさん。ただ、思ったほど簡単にはコミュニケーションできず、残念なこともあったようです。

「英語を話せる日本人がとても少ないことに驚きました。私たち外国人のほとんどは、日本語を話せません。それでも、旅行中フラッと入ったバーで誰かと少しだけ話すような、おしゃべりが楽しめたら……とは思うんです。

 そういう交流ができなかったのが、少し寂しかったですね。翻訳アプリを使ってコミュニケーションをしてくださる方もいて、感謝しています。ただ、きちんと会話をしようとすると、翻訳アプリでは物足りないです」

 流暢に英会話ができなくても、翻訳アプリやカタコトの英語、ボディランゲージを交えて言葉の壁を乗り越える人はいますが、そう多くはないでしょう。日本人の“あるある”では、文法を気にしたり、アプリを介したりするうち、会話の空白に気まずくなって、弾むはずの話題が途切れがちになってしまうことも多そうです。

レストランで多かった「少し味気ない会話」

 キャロラインさんの日本での英語のやり取りは、ほかにもエピソードが。実はベジタリアンでもあることから、レストランで多かったやり取りを明かしてくれました。

「お店に入って『ベジタリアンの食べ物はありますか?』と聞いたら、『No』とひと言。こちらも『OKバイ!』と言って、店を出ることが少なくなかったです。仕方ないとは思いますが、少し味気ない会話になってしまいましたね(笑)」

 インバウンド対策で、写真付きや英語のメニューを用意する飲食店は増えました。ただし、英会話を苦手に感じて、外国人からすると強い拒絶感を覚える「No」だけで会話が終わってしまうことが、まだまだ多いようです。

 キャロラインさんが住むスイスは地理的な要素や歴史的な背景もあり、スイス語、ドイツ語、フランス語、英語を話せるマルチリンガルの人が多いそう。だからこそキャロラインさんは、「日本は島国なので、ちょっと状況が違いますが、日本もこれからもっとグローバル化して、英語で会話できる人が増えると思います」と前向きに考えています。

 さらに、「だから今度、また日本に来たときは、もっといろんな人とおしゃべりしたいし、そうできたらうれしいです」と話したキャロラインさん。またきっと、美しい自然の風景や人々との交流を楽しみに、日本を訪れてくださいね。

(Hint-Pot編集部)