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日本の小学校で一番楽しみな時間は「給食」 ハワイ育ちの男の子が体験入学 牛乳の違いに驚いた理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

日本の給食で提供される牛乳のほうが圧倒的においしい

 さて、体験入学も2週目に入ると、ようやく学校に慣れてきた様子のロコ男。「学校で一番楽しみにしている時間は?」と聞くと、「給食の時間。だって、牛乳がおいしいから」と即答でした。

「なんで牛乳……?」。その謎を解こうと、一休さんのように考え込む私……。ポクポクポク、チーン! あ、なるほど。ハワイ(おそらくアメリカ全土)の小学校では、乳脂肪分1%の低脂肪ミルクか無脂肪ミルクを提供するのが一般的です。日本の給食では全乳(成分無調整牛乳)が飲まれているため、比べると圧倒的に日本の牛乳のほうがおいしいということかと気がつきました。

スーパーマーケットに並ぶ常温保存の牛乳。ハワイの学校給食でも常温の牛乳が提供されるが、写真のようなオーガニックではないことが一般的【写真:i-know】
スーパーマーケットに並ぶ常温保存の牛乳。ハワイの学校給食でも常温の牛乳が提供されるが、写真のようなオーガニックではないことが一般的【写真:i-know】

 以前、間違えて乳脂肪分1%の低脂肪ミルクを買ってしまったことがあります。あくまでも個人的な感想ですが、とても飲めたものではありませんでした。水にうっすらミルクの味がついているような味だったのです。

 アメリカ給食における牛乳の歴史を調べてみると、2012年以降、ホールミルク(全乳)と乳脂肪分2%のミルクは提供されなくなったようです。理由はコレステロール値が高く、肥満に結びつきやすいから。子どもたちの健康のことを考えてのことだそうです。

89%の親が学校給食で全乳と乳脂肪分2%のミルクの復活を希望

 実は、ハワイの給食では、飲み物を4種類から選べます。乳脂肪分1%の低脂肪ミルク、無脂肪ミルク、乳脂肪分1%の低脂肪チョコレートミルク、無脂肪チョコレートミルクです。子どもたちが自由に選択できますが、ミルクに比べてチョコレートミルクは、砂糖が多く含まれています。1カップ=240グラムあたり、1%低脂肪のチョコレートミルクにはなんと21グラムも!

 ロコ男いわく、白いミルクよりもチョコレートミルクのほうが当然人気は高く、毎日チョコレートミルクを選ぶお友達もいるとのこと。私はロコ男に週に1度、水曜日だけチョコレートミルクを許可していますが、実際にその約束が守られているかどうかは知り得るところではありません……。

国際乳製品協会の記事によると、89%の親が学校給食で全乳または乳脂肪分2%牛乳の提供を希望と食品関連会社が発表(画像はスクリーンショット)
国際乳製品協会の記事によると、89%の親が学校給食で全乳または乳脂肪分2%牛乳の提供を希望と食品関連会社が発表(画像はスクリーンショット)

 2024年、国際乳製品協会(The International Dairy Foods Association)の調査によると、アメリカでは94%の親が自宅で全乳か2%ミルクを子どもに提供し、89%の親が学校給食で全乳と乳脂肪分2%のミルクの復活を望んでいるとの調査結果が出ています。

 その理由は、全乳や2%ミルクを飲めば、子どもたちの成長や発達、健康面に必要な栄養素が補えるから。多くの親に支持されている全乳と2%ミルクがいつか復活すれば、日本の牛乳大好きっ子のロコ男も喜ぶことでしょう!

 次回は、学校給食の続編として「牛乳だけじゃない。日米給食メニューの比較」についてお話ししたいと思います。

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、即フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。大好きな東方神起に取材できたことを機に、日本のキャリアに一区切りをつけ、2013年、単身ニューヨークへ。2015年、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(7歳、4歳)を完璧なバイリンガルに育てるべく奮闘している。