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更年期世代が知っておきたい豆腐にプラスする食材 栄養を効率良く摂取するコツとは
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教えてくれた人:和漢 歩実
豆腐は大豆を原料とした、低カロリーで栄養価の高い食品です。植物性たんぱく質や大豆イソフラボンなど、とくに更年期を迎える世代にとっては健康維持に役立つ栄養素が含まれているので、日々、積極的に食べている人も多いでしょう。しかし、体に良いからといって豆腐をたくさん食べても、栄養メリットを生かせません。更年期世代が知っておきたい、豆腐の栄養を効率良く摂取するコツについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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豆腐が更年期世代に良いといわれる理由
豆腐は消化が良く低エネルギーでありながら、筋肉をはじめ体の細胞の原料となる「良質たんぱく質」を主成分としています。基礎代謝が低下して体重増加が気になり、肉を食べることを懸念する更年期世代にとっては魅力的な食品のひとつでしょう。
さらに「大豆イソフラボン」の存在も大きいです。大豆イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをし、更年期の症状緩和に役立つと考えられている機能性成分。骨密度の低下を防ぎ、骨粗しょう症のリスクを軽減する効果が期待できるでしょう。また、ホルモンバランスの乱れから来る更年期特有のホットフラッシュや不眠、イライラといった症状の軽減にも寄与するといわれています。
このほか、抗酸化作用のあるサポニンやレシチン、エネルギー生成に欠かせないビタミンB群、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンE、骨の健康に関与するビタミンK、カリウムやカルシウムといったミネラルなども。豆腐には、更年期世代が気になる健康維持に欠かせない、さまざまな栄養成分が含まれています。
大量に食べたからといってメリットが増えるわけではない
厚生労働省と農林水産省が公表した「食事バランスガイド」では、大豆製品や大豆を使った料理は、肉や魚、卵料理とともに「主菜」として位置づけられています。豆腐は「畑の肉」といわれる通り、野菜ではありません。
肉や魚に比べ低エネルギーで、健康に良い栄養素や機能性成分が豊富とはいえ、豆腐ばかり大量に取るといった食事はやめましょう。栄養が偏り、不調の原因になります。たとえば、大豆イソフラボンの過剰摂取を続けると女性ホルモンのバランスが崩れ、心身に不調をきたす可能性があります。たくさん摂取したからといって、それだけメリットが増すものでもありません。
食事の栄養バランスを考えた場合、豆腐は1日に1/3~2/3丁が適量といえるでしょう。重要なのは、ひとつの食品に偏らず、さまざまな食品から栄養を摂取することです。