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更年期世代が「ぬか漬け」を食べるべき理由 注目したい3つの栄養素を解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

キュウリのぬか漬け(写真はイメージ)【写真:写真AC】
キュウリのぬか漬け(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 古くから伝わるぬか漬け。キュウリやナスなど野菜のぬか漬けがあると、白いごはんが進みますよね。ぬかの栄養価がプラスされるため、とくにストレスや疲労を感じやすい更年期世代にとって、野菜のぬか漬けは残暑厳しい食卓で活用したい食品のひとつだそうです。ぬか漬けについて、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。

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ぬか漬けの優れた栄養成分とは

 ぬかとは、玄米を胚芽精米や精白米に精白する際に出る副産物ぬか層のことで、脂質やたんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素を含みます。野菜のぬか漬けは、ぬかに塩と水を混ぜて乳酸発酵させたぬか床に、野菜を漬けたもの。諸説ありますが、奈良~平安時代の頃にはぬか漬けのもととなる漬け物が存在し、一般的に広まったのは江戸時代だといわれています。

 ぬか漬けは、ぬか床の栄養成分が野菜に移るため、生で食べるよりも栄養価がアップします。どの年代にもおすすめですが、とくに更年期世代が食べるべき理由としては、ビタミンB1、乳酸菌、カリウムが豊富な点が挙げられます。それぞれに期待できることは次の通りです。

○ビタミンB1
 脳や神経のエネルギー源である糖質を、エネルギーに変えるサポートをします。そのため、集中力や記憶力、疲労回復に役立ちます。玄米ではなく精白米を主食とし、糖質を主成分とするインスタント食品やスナック菓子、清涼飲料水などを好む人が不足しやすいビタミンです。暑さで消耗しやすく、ホルモンバランスの乱れから疲れを感じやすい夏の時期に摂取しておきたい栄養素です。

○乳酸菌
 腸内環境を整え、免疫機能を高める働きがあります。脳と腸はつながっていると考えられ、良い腸内環境であれば自律神経も免疫機能も調子が良くなるといわれています。便秘解消や美肌効果が期待でき、また肥満や糖尿病などの生活習慣病のリスクを減らすことにもつながります。女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをする、大豆イソフラボンの吸収にも欠かせない存在です。

○カリウム
 体内の余分な水分や塩分を体外に出し、むくみや高血圧の予防が期待できます。湿度の高い日本の夏は、冷房に当たりすぎたり、冷たい飲食物を取りすぎたりと、むくみやすい環境にあります。加えて、更年期世代はホルモンバランスと自律神経の乱れから水分代謝が悪くなり、むくみを引き起こすこともあるので、カリウムは摂取したい栄養素です。