Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

まだまだ強い紫外線 季節の変わり目で揺らぐ肌に日焼け止めは大丈夫? 対処法を皮膚科医が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:神島 輪

秋も大切な、日焼け止めによる紫外線対策(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
秋も大切な、日焼け止めによる紫外線対策(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 厳しい残暑が予想され、9月以降も引き続き入念な紫外線対策が必要です。しかし、季節の変わり目は、肌が揺らぎやすい時季。ニキビなど肌荒れが起きてしまい、日焼け止めを使用し続けても大丈夫なのか、心配になったことはありませんか。そこで、水道橋ひふ科クリニックの神島輪医師に、日焼け止めによって肌荒れした場合の対策についてお聞きしました。

 ◇ ◇ ◇

「きちんと落として保湿」が大切

 強烈な紫外線によるダメージや、エアコンによる乾燥で、夏を越えた肌はバリア機能が低下している場合があります。また、秋はだんだんと湿度が低下してくる季節。いわゆる“ゆらぎ肌”になると、外的刺激で肌荒れを起こすことがあるので、原因を突き止めて対処することが大切です。

 日焼け止めを塗ると、かゆくなったり肌荒れしたりする場合は、個人差もありますが、紫外線吸収剤が刺激になっている可能性があります。また、アルコール系のものは乾燥しやすくなったり、刺激になったりすることも。最近では、肌荒れ防止成分が配合された、敏感肌にも優しい日焼け止めがたくさん登場しています。日焼け止めを塗ったあとの肌荒れが気になる場合は、成分に着目して変えてみるといいでしょう。

 また、肌荒れの原因として、日焼け止めをきちんと落とし切れていない場合もあります。日焼け止めの種類によっては落ちにくいものもあるので、メイク落としや専用の洗浄料、石けんを使って、洗い残しがないように、いつもより丁寧に落としてください。基本的には、顔も体も落とし方は同じです。日焼け止めに記載のある方法で正しく洗浄しましょう。

 このとき、ごしごしこすらないで優しく洗います。日焼け止めを落とし切れていても、逆に洗いすぎて肌に負担がかかってしまった場合も肌荒れしたり、ニキビができやすくなったりします。ニキビが気になる場合は、油分が多い日焼け止めを避けて、ノンコメドジェニック(ニキビの初期段階のコメドができにくいよう作られている製品)の日焼け止めを選ぶことをおすすめします。

 もしも、日焼け止めを塗って赤みやかゆみが出る場合は使用を中止し、それでもなかなか治らない場合は皮膚科を受診してください。

 また、肌荒れとまではいかなくても、日焼け止めを塗るとパサつきが気になる人もいるでしょう。その場合は、日焼け止めを塗る前にしっかり保湿してください。さらに、洗浄後も忘れずに、しっかり保湿することも大切です。日焼け止めは、SPF値が高いものがいいとは限りません。保湿力の高いものや刺激の少ないものなど、自分の肌に合ったタイプを選びましょう。

(Hint-Pot編集部)

神島 輪(かみしま・りん)

東京女子医科大学卒業後、同大学病院皮膚科入局。その後、主に美容皮膚科クリニックでキャリアを積んだのち、2019年に水道橋ひふ科クリニックを開院。専門は皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科。アトピー性皮膚炎やニキビに悩んだ自身の経験から、患者に寄り添った治療をモットーとしている。