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「僕の秘密の宝物」 日本に留学経験のあるイタリア人 「幸運のお守り」になっているものとは
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訪日外国人のなかには、日本の歴史や伝統、文化に強い興味を持つ人が少なくありません。10年前に1年ほど日本に留学していたというイタリア人男性は、現在は美術品としても価値が高い日本刀に目を奪われたそう。さらに、日本のあるものをかたどったお守りを、今も大切にしているといいます。いったい、どんなものなのでしょうか。
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美術館でも鑑賞した日本の刀 外国人の通訳で間近に観る機会も
南イタリアの人気リゾート地、サレルノ出身のルカ・コッカロさん。現在は、イタリア北部の大都市・トリノで、高校の英語教師として働いています。名門国立大学のペルージャ外国人大学で日本語を学び、2014年に1年間、京都産業大学へ留学しました。
伝統を重んじるイタリアで育ったルカさんは、日本の歴史や文化、伝統的なものに興味を持ったそう。現代でも、伝統衣装である着物を楽しむ人がいることに、とても感動したといいます。
そんなルカさんは、かつて武士が携えていた武器で、現在は美術品として高く評価されている刀にも、美しさを感じていました。「美術館でも観たけれど、あるお店に入って外国人が刀を買おうとしていたんです。そこで、僕が通訳してあげながら、間近に観ることができました」と、当時を振り返ります。
また、京都で生活していたルカさんは、市場でも刀を目撃したと語ります。「京都の市場に行ったら、刀で魚をさばいていてびっくりしました」とのこと。
日本の伝統料理の世界では、料理人の頂点を包丁人と呼び、一線を画す存在として尊敬を集めていました。包丁人が行う儀式「包丁式」などでは、包丁刀が用いられたといわれています。
ただ、話を聞く限りルカさんが見たのは、そうした包丁刀ではなさそう。マグロ包丁とも呼ばれ、大きな魚を解体するときに用いられる包丁は刃渡りが非常に長く、刀身の幅も狭いことから刀のように見えます。
いわゆる日本刀ではありませんが、大きな魚をさばく様子は迫力満点。ルカさんの目には、刀が今も日本の日常にあると感じられた、貴重な記憶のひとつになっているようです。