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エビフライのシッポを食べるのはマナー違反? 食べるときに気をつけるべきこと 栄養士に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:和漢 歩実

カラッと揚がったエビフライ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
カラッと揚がったエビフライ(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 プリプリの食感で人気のエビ。とくにエビフライは、サクッとした衣がエビの味わいとマッチして、子どもから大人まで人気のメニューです。エビフライというと、シッポまで食べるべきなのか悩むことがありますが、実際のところどうなのでしょうか? 9月の第3月曜日は「海老の日」。エビは長寿の象徴であることから、毎味(ことみ)水産が敬老の日と同じ日に制定しました。2024年は9月16日(月・祝)です。記念日にちなみ、エビのシッポや栄養などについて、和漢歩実さんに伺いました。

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エビのシッポの栄養とは

 エビフライのシッポを食べるか食べないかについては、意見が分かれるところですが、どちらがマナー違反だということはありません。栄養面でいえば、エビのシッポには殻と同様に栄養があります。少量ながらもメリットを得たいのならば、食べたほうが良いでしょう。

 シッポに含まれる代表的な栄養成分には、キチン、アスタキサンチン、カルシウムがあります。キチンとアスタキサンチンは、エビやカニなど甲殻類にあることで知られている成分です。キチンは不溶性食物繊維の一種で、腸内を整えるなどの働きをします。アスタキサンチンは高い抗酸化作用を持ち、化粧品の成分としても注目される天然色素。カルシウムは骨を丈夫にするために欠かせない成分です。

 しかし、シッポはよく噛まないと食べにくく消化も悪いので、苦手な人も多いと思います。口の中に刺さったり、傷つけたりすることもあるので、小さなお子さんには注意してあげてください。レストランなど外食先でシッポを残す場合は、目立たないように皿の端にそろえておくとスマートです。

 自宅でエビを調理する際は、シッポの下処理をしましょう。エビのシッポは汚れがつきやすく、水が残っていて生臭い場合があるので、包丁の背を使ってしごき出します。しっかり下処理してカラッと揚げたエビフライは、シッポもカリッと噛みやすく、香ばしくておいしいです。

揚げ物のエビフライは食べ方に工夫を

 そもそもエビは、高たんぱく質で低脂肪な食品です。そのほか、“若返りのビタミン”といわれ体内の酸化を防ぐビタミンE、血液サラサラ効果などが期待できるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)のオメガ3系不飽和脂肪酸などが含まれています。肝機能や疲労の回復を促す効果のあるタウリンなどもあり、健康に良い成分が多いのが特徴です。

 ですが、エビフライとなると、小麦粉や卵液のほか、衣であるパン粉をつけて揚げたものなので、エネルギーや糖質量が高くなります。たとえば、30グラムのエビをフライで食べた場合、吸油率を13%とすると約35キロカロリーがプラスになります。

 エビフライを食べる場合、まずは食物繊維が含まれる野菜などを食べましょう。消化吸収をゆるやかにし、太りやすくする血糖値の急上昇を抑えてくれる働きがあります。また、余分な糖質や脂質の吸収を抑えて排出させることも期待できます。

 タルタルソースや中濃ソースは、エビフライに合いますが、たっぷりかけてしまうとカロリー過多になります。カロリーが気になるのであれば、塩コショウやレモン汁などで食べるのもおすすめです。とくにレモン汁は消化促進効果があり、揚げ物との相性が良いでしょう。

 食べ方を工夫して、適量をおいしく。栄養メリットを少しでも得たいのであれば、香ばしいシッポまで食べましょう。

(Hint-Pot編集部)

和漢 歩実(わかん・ゆみ)

栄養士、家庭科教諭、栄養薬膳士。公立高校の教諭として27年間、教壇に立つ。現在はフリーの立場で講師として食品学などを教える。現代栄養と古来の薬膳の知恵を取り入れた健やかな食生活を提唱。食を通して笑顔になる人を増やす活動に力を注いでいる。
ブログ:和漢歩実のおいしい栄養塾