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旅館の夕食で勧められるお酒が高い…コンビニで買ったお酒を部屋に持ち込んで飲んではいけないのでしょうか
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まもなく秋の行楽シーズン、各地への旅行を検討している人も多いのではないでしょうか。旅先での楽しみはさまざまですが、旅館で過ごすひとときも旅の醍醐味(だいごみ)のひとつ。せっかくならお互いに気持ちのいい時間を過ごしたいものです。旅館での気になるマナーについて、マナー講師の井垣利英(いがきとしえ)さんに話を聞きました。
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荷物を置いてはいけない場所は? お風呂の写真は撮っていい? 気になるマナーを解説
ただ泊まるだけのビジネスホテルとは違い、和室のしつらえや仲居さんの細かい気配りなど、温かいおもてなしがうれしい旅館。一方で、おもてなしを受ける側にも相応のマナーがあると井垣さんは言います。
「まずはチェックイン。最近は大型のキャリーバッグでの旅行も一般的ですが、お部屋に入る際にタイヤのまま引きずるのは畳が傷む原因になるので絶対にいけません。路上に触れてきたタイヤなので、部屋に入る前にはウエットティッシュなどで汚れを拭き取り、キャリーバッグを持ち上げて室内に入れましょう。
荷物を広げる場所にも注意が必要です。よく、邪魔にならないからと一段高くなった床の間に荷物を置かれる方がいますが、床の間は本来神様をお迎えする神聖な場所で、飾られている掛け軸やお花は神様へのお供え物。床の間の上はもちろん、床の間の周囲にも物を置かないようにしましょう。旅館によってはバゲージラッグを用意している場合もあるので、聞いてみるか、荷物は邪魔にならない壁際で広げるようにしましょう」
部屋が和室の場合には、踏んではいけないものが3つあります。
「部屋の敷居、畳のへり、そして座布団です。日本は古くから境界線を大事にする文化なので、敷居は踏まずにまたぐのがマナー。ただ、旅館はくつろぐための場所なので、例えば座布団を折り曲げて枕にすることなどは問題ありません」
部屋でひと息ついた後はお風呂で汗を流したいもの。大浴場では入浴前のかけ湯や、タオルや髪の毛を湯につけない、脱衣所には体を拭いてから出るなどのマナーが一般的です。最近では、家族風呂など周囲に人がいない状況で、せっかくのお風呂を写真に撮ったり、SNSに上げたりしたいという声もありますが、問題はないのでしょうか。
「温泉旅館の場合、一番の売りはもちろん温泉です。大浴場や脱衣所では他の人が写り込む可能性があり、撮影はNGです。ただし、家族風呂や深夜や早朝の誰もいない時間など、他の人がいないことを確認した上で撮影するぶんには特に問題はありません」