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著者:Hint-Pot編集部

アメリカ人大学生のダニエルさん【写真:Hint-Pot編集部】
アメリカ人大学生のダニエルさん【写真:Hint-Pot編集部】

 世界的に人気を博している日本食。世界各地に進出し、その地域の文化に合わせて独自に進化を遂げていることも少なくありません。初訪日のアメリカ人男性は、日本で食べたある日本食が母国で食べたものと「別物のようだ」と感動したそうです。いったい、どんな日本食に驚いたのでしょうか。

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日本食を堪能しているアメリカ人5人組

 小学生の頃からの幼なじみたちとともに、アメリカからやってきたダニエルさん。大学の卒業旅行のために、初めて日本へやって来ました。

 全員が旅行好きという5人組。誰もアジアには来たことがなかったため、「行ってみようか」と今回の訪日が決まりました。2週間の滞在予定で、お話を聞いたこの日は東京へ来て5日目でした。

 日本に来てから日本食を「食べすぎだといってもおかしくないくらい、食べてるよ(笑)」というほど堪能している5人は、そのなかでもとくに和牛が衝撃的だったとか。

「強烈に覚えているのは渋谷で食べた和牛、神戸牛だね。衝撃的においしかった。値段も高かったけど、あんなにやわらかい牛肉は初めて食べたよ。アメリカで和牛を食べようとしたら日本とは比べ物にならないくらい値段が高いから、食べることができて日本に来た甲斐があったよ」

 5人が味わった神戸牛は、日本三大和牛のうちのひとつ。ほかの牛肉とは異なる特別な肉質が人気で、やわらかさとジューシーさのバランスに優れている和牛は、海外でも高い評価を受けています。

母国で食べたものとは別物! 感動した日本食とは

新鮮さや食感を楽しんだ日本食【写真提供:ダニエルさん】
新鮮さや食感を楽しんだ日本食【写真提供:ダニエルさん】

 さらに、和牛以外にも印象に残っている食べ物があったと教えてくれたダニエルさん。それは日本食の代表といっても過言ではない「寿司」です。

「日本の寿司はアメリカの寿司と全然違うじゃないか! 本当においしかった。アメリカの寿司はロール寿司が大半で、握り寿司はほとんどないんだ」

 ロール寿司とは、アメリカで独自に進化し世界各国へ広がった巻き寿司のことで、海苔を内側にし、シャリを外側にして巻いたもの。その起源は、1960年代のアメリカの寿司レストラン。日本の一般的な巻き寿司を提供したところ、黒い海苔を食す文化のないアメリカ人は気味悪がって海苔をはがして食べていたそうです。その光景から考案されたのがロール寿司です。

 また、生魚を食べる文化のない国では生魚を食べることに抵抗がある外国人も多く、ロール寿司の具は生魚の代わりに、脂を感じるアボカドやフライなどが入っていることも。そうした文化的背景から、海外では握り寿司よりロール寿司の方が人気になるのも納得です。

 母国アメリカでロール寿司に慣れ親しんできたダニエルさんですが、“本場”の握り寿司の味わいに感動が止まりません。

「魚の新鮮さや食感を楽しむには握りが断然いいね! あとトロがまるでマシュマロみたいに舌の上でなくなって感動した(笑)」

 実は、日本でも寿司に新鮮な生魚が使われるようになったのは製氷業が盛んになった明治時代からだといわれています。その後、魚の鮮度を落とさないための冷蔵・冷凍の技術や、物流の発展があり、新鮮でおいしい握り寿司を食べることができるようになりました。

 日本だからこそ食べることのできる“本場のお寿司”に舌鼓を打った5人。これからめぐるという京都や大阪でも日本のグルメを堪能してほしいですね。

(Hint-Pot編集部)