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「作ってくれた人に対して失礼な気が」 イギリスの食生活で日本人女性が戸惑い 時間が経つにつれ慣れたこととは
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「イギリスのごはんはまずい」といわれたのは、もはやひと昔前。そういわれる所以があったのかもしれませんが、実際のイギリス人家庭では、どんなごはんを食べているのでしょうか。ひょんなことからイギリスに移住、就職し、海外在住歴7年を超えたMoyoさんが外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第45回は、イギリスやフランスで実際に暮らして気づいた食事情についてです。
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一般的なイギリス家庭の食事は?
イギリスのホストファミリーのもとで暮らしていたときの洗濯事情については以前お話ししましたが、今回は食卓での印象的なエピソードを紹介したいと思います。
ホストファミリーの生活スタイルや職業、家族構成は実に多様。留学生との交流がとても積極的なケースから、一切放任主義のスタイルまで、いろいろなタイプの家庭があります。私がお世話になったのは、放任しすぎず、でも基本的な交流は最低限というタイプでした。
食事の面でいうと、まず私が選択したのは、朝ごはんと夕ごはん付きのプランです。語学学校によって用意されているプランは変わりますが、だいたいは「1. 朝ごはんと夜ごはん付き、2. 夜ごはんだけ、3. 一切なし」の3種類から選べるようになっていると思います(プランによって金額は変わります)。
朝ごはんはセルフサーブで、キッチンに用意されているものを自分で作って食べる形式。その内容は“ザ・イギリス”で、超薄型トーストにインスタントコーヒーや紅茶、ミルクが用意されていました。
超薄型トーストで始まる朝ごはん
イギリスについてなんの事前知識もなく渡った私の頭にも、日本のパン屋さんでよく見かけた「イギリス食パン」などが出てくるのかなと、淡い期待がありました。
ところが、「これがブレックファースト用のパンだからね」と指された巨大な袋を見てびっくり。中に入っていたのは、日本でいう8枚切りよりも薄い12枚切りくらいの薄さのパンで、正方形をしています。ボソボソとしていて、そのまま食べるには少々難しく感じました。「イングリッシュ・ブレックファースト」を経験したことがある人は、あの付け合わせのトーストを思い出してみてください。
朝ごはんをしっかり食べる習慣があった私は、こんな薄いトーストで足りるのかなと、最初は戸惑いがあったのも確かです。ですが、カリッと焼いてジャムやバターをのせたシンプルなトーストは美味。また、週末になるとたまにホストが作ってくれる、卵焼きと合わせた食べ方もおいしく、意外にいけるなと思うようになりました。
しかし、時間が経つにつれ、毎日毎日トーストの連続はやはり厳しくなります。家庭によってはシリアルやフルーツなど、いろいろと用意してくれているケースも聞きました。
しかし、私のホームステイ先では、毎朝同じものしか提供されませんでした(たまにトーストのブランドは変わりましたが(笑))。留学生用の特別メニューなのかと頭によぎりましたが、ホストたちが食べている様子を見て、本当にこれがいつもの朝ごはんなのだと納得。しかも、一食で何枚も食べるのが普通なので、大容量パッケージにも合点がいきます。
このままでは栄養が少し偏りそうだなと思い、何かしら変化をつけようと、途中からカフェやコンビニエンスストア、スーパーマーケットなどで、ヨーグルトや果物、パティスリーを買うようになりました。“チリツモ”でお金はかかってしまいましたが、自分のコンディションを整えるには必要な出費だったと今でも思っています。