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ホームステイで困ったこと 日本人女性がイギリス暮らしをして、日本の洗濯機に感動した理由とは
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洗濯物が増える夏。日本では、汚れたものはなるべく早く洗濯したいと思う人が多いでしょう。夏空の下、たくさんの洗濯物を干すと、清々しい気持ちになりますよね。ひょんなことからイギリスに移住、就職し、海外在住歴7年を超えたMoyoさんが外国暮らしのリアルを綴るこの連載。第40回は、イギリスの洗濯について。日本の家事がいかに効率化されているか実感したエピソードを紹介します。
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イギリス人家庭にホームステイして気づいた家事の違い
イギリスに初渡航した当時、ホームステイを経験した私。そのホームステイ先は、巣立った子どもの部屋を使って長年ホストファミリーをやっている、生粋のイギリス人夫婦の家庭でした。
これだけ聞くと、「イギリスの地元の生活が体験できていいなぁ」と思うかもしれませんが、ホームステイのメリット・デメリットはいろいろあります。ホストファミリーの実態も実際ピンキリです。
最低限の衣食住しか提供しないホストもいれば、手取り足取りなんでも用意してくれて、部屋は毎日きれいに掃除され、週末には車であちこち連れて行ってくれるホストファミリーの話も聞いたことがあります。
私のホストファミリーは、要所で手助けしてくれて淡白すぎず、でも基本は放任主義のタイプでした。イギリスのことをまったく知らないでやってきた私にとってはすべてが未知の世界。今でもありがたいと思うのは、バスの乗り方から買い物の仕方まで、いろんなポイントで助けてくれたことです。そして、イギリス人の生活様式を垣間見ることができました。
ですが、ホームステイという共同生活でストレスが溜まるのは事実。私の場合は、社会人で、ある程度自分の生活リズムやスタイルもできていたり、英語もろくに話せなかったため意思疎通も上手にできなかったりして大変でした。文化や習慣が違うとなるとなおさらです。
ホームステイは基本的に衣食住が提供されるので、食事や洗濯、掃除などは自分ではしません。つまり、すべて相手次第。そのため最初に驚いたのは洗濯でしょうか。そのホームステイ先にはリビングルームに洗濯してほしいものを入れるカゴがあったのですが、一度入れるとなかなか返ってこないことに気づいたのです。
週に1回の洗濯機事情
冬の時期で汗をあまりかかなかったので、ニットやスウェットなどは毎回洗わなくてもいいですが、やはりアンダーウェアや靴下類、Tシャツなどは一度着たら洗いたいもの。そのような感覚でぽんぽんと入れていたら、あれ? 1週間経っても自分の洋服がなかなか戻ってこないな、とふと気づきました。
たくさん衣類を持ってきていたわけではないので、さりげなくホストに聞いてみると「まだ洗濯中なの。終わったら届けるから心配しないで」とのこと。そしてしばらくしてから、1週間に1回しか洗濯していないことに気づきます。
日本ではたとえ少量でも、毎日のように洗濯機を回すのが当たり前の感覚だったので、驚いたととともに、着るものがなくなったらどうしよう、という新たな問題が生まれました。
お金を払っているとはいえお世話になっている身なので、「もっと早く洗濯物を返して欲しいです」とは口が裂けても言えません。そこで仕方ない、と家事の頻度の違いに驚きを受けつつ、アンダーウェア類は自分ですべて手洗い洗濯するように。さらに着るものがなくなると困るので、緊急用に少し衣類を買い足しました。
洗濯にかかる時間が長すぎる
それから時は経ち、自分がシェアハウスなどに移り住んだときにまずうれしかったのは、洗濯機が自分で使えること。これからはもっと頻繁に、好きなときに洗濯できる! と意気込んだのも束の間、イギリスの洗濯機の使いにくさに面食らいました。
イギリスの洗濯機での洗濯時間はとにかく、本当に異様に長い(フランスも同じですが)。一般メニューで、ゆうに3時間かかります。まったく事情を知らずに洗濯機を初めて使おうとした日には、表示された3時間30分などの時間にど肝が抜かれ、故障か時間の読み方が違うのか? と思ったほどです。
そのとき、ホームステイ先の洗濯事情のことを思い出し、そりゃ仕事から帰ってきてできる長さではなく、1日に何度も、あるいは数日かけてやりたくないよな、と。
日本の洗濯機は全自動で、洗濯自体の時間は30分から1時間ほど。乾燥にかかる時間も種類によりますが、2~3時間ほどでしょうか。そして操作性もシンプルです。日本の家電の評価が世界で高い理由を身をもって知りました。次回は、イギリスで驚いた洗濯機事情を紹介します。
(Moyo)