どうぶつ
保護ねこがホームと駅舎を占領 鉄道模型に横たわるやる気のない姿に反響 「このデロンデロンさたまらん」
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レトロな駅舎とホームにしなだれかかる、巨大な白いねこ。線路がふさがれ、まるでSFのようです。実は、ねこが横たわっているのは鉄道模型ジオラマ。大阪府大阪市で保護ねこ活動を行いながら、鉄道模型の展示もしているカフェとして人気の「ジオラマ食堂」での一枚です。X(ツイッター)で1.5万件もの“いいね”を集めた投稿について、店主の寺岡直樹さんに詳しいお話を伺いました。
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9月なのに暑すぎる…そんな気持ちを代弁する子ねこ
「運転やめた。仕事やる気なし 暑すぎるし……9月なのに……」
暑さでお疲れなのか、すっかり伸びているのは、生後約4か月の男の子で保護ねこの「モルン」くん。鉄道模型1/150スケールのジオラマを見ながら食事することができる「ジオラマ食堂」で保護され、現在も暮らしています。
モルンくんの愛らしい写真はXで話題になり、1.5万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「もしかしたら、レールに肉球を押しつけるとちょっとひんやりすることに気づいてしまったか?」「キャットもへこたれちゃうほどのウルトラ残暑……。厳しいですな……」「巨大怪獣ネコラ……?」「まさにねこになりたい」「このデロンデロンさたまらん」など、多くの声が寄せられています。
寺岡さんによると、写真を撮影したのは、昼のおやつを食べたあと。「みんながリラックスし出したときにふとジオラマを見ると、私たちの気持ちを代弁するような姿で寝ていました」と振り返ります。
ジオラマがある部屋の室温は25度、保護ねこシェルターは27度と快適な温度に設定されているため、モルンくんは暑さでうなだれていたわけではありません。それでも心地良かったのか、30分以上ここから動かなかったそうです。
ちなみに、モルンくんはお母さんの「パーラ」ちゃんときょうだいの「コア」くん、「ビッケ」くん、「ピッピ」くんと一緒に、今年6月に保護されたばかりです。きょうだいはモルンくんも合わせて4匹ですが、うち2匹はすでに新しい家族のもとへ。モルンくんとコアくんも近々、一緒にお迎えされる予定です。
9月時点で140匹のねこたちを保護
ジオラマ食堂がねこの保護活動を始めたきっかけは、1組のねこ家族をお迎えしたことでした。コロナ禍で客足が遠のき、苦しい経営状態が続いていましたが、ねこ家族がきっかけで応援してくれる人が増え、生きる希望が湧いたといいます。
「ねこを助けたつもりが助けられていた」と語る寺岡さん。今ではすっかり大所帯になり、9月時点では140匹がジオラマ食堂で新しい家族のお迎えを待つほどになりました。寺岡さんは、たくさんのねこが一緒に暮らす場所だからこそ、ねこたちの健康に細心の注意を払っているといいます。
「感染症などの防御のために獣医師が常駐。0.5次医療(病院での検査機器を使用する前の受け入れ時の検査など)の往診所登録をしていて、里親様のワクチンや往診ができるようにしています」
8月には、15匹のねこと海、そしてジオラマを見ることができる「Catsワンダーランド」が海遊館の隣にオープン。ジオラマ食堂は完全予約制ですが、こちらは予約なしで入店可能です。ジオラマを見ながら保護ねことふれあい、まったりと過ごすことができます。
○取材協力:ジオラマ食堂official【公式】(@officia86839977)さん
(Hint-Pot編集部)