どうぶつ
鉄道模型に横たわる“巨大ねこ”が大反響 「助けたつもりが助けられた」お店の物語
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新型コロナウイルスの影響で、大打撃を受けている外食産業。そんな中、保護ねこをお迎えしたことで思わぬ反響となり、「助けたつもりが助けられていた」と語るお店が大阪にあります。1匹の子ねこを保護してから、母ねこを含む家族全員を保護するまでの流れはまるでドラマのよう。そんなお店、ジオラマ食堂(@Caferest_bar_Fe)を営む寺岡直樹さんにお話を伺いました。
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コロナ禍での営業自粛 目が回るほど多忙な日々
JR環状線・寺田町駅の北口を出て徒歩5分の場所に、5匹のねこと本物と見まがうほどリアルな鉄道模型がお出迎えしてくれる「ジオラマ食堂」があります。1/150スケールのジオラマに設置された駅舎や橋梁はすべて手作りで、線路の総延長は約50メートル以上。店内では、ジオラマを見ながら食事を楽しむことができます。
店内でメインとなるジオラマは、1970年代の地方主要駅や蒸気機関車を再現したレイアウト。その奥の部屋には、国鉄時代末期の街並みをイメージした小さなレイアウトが置かれています。こちらがねこたちのお部屋です。ケージが置かれ、ねこたちは自由に動き回っています。
今ではすっかりジオラマ食堂の名物となっているねこたちですが、実のところお迎えしたのはつい最近のこと。混迷極まるコロナ禍の中、ひょんなことから次々と引き取ることになったといいます。
「私の病をきっかけに、子どもたちを預かるアフタースクールを設立しました。現在は1階がジオラマ食堂、2階で児童施設を経営しています。しかし昨年3月、コロナ禍の蔓延に伴い、1階の営業を自粛することに。一方で、入学式もなく新1年生となった子たちを朝から晩まで迎えるなど、1階が閉店中も受け入れを続けていました。こうして早めから、子どもたちの命を守るための行動に切り替えていたのです」
1階の営業自粛中も月謝は通常のまま。ところが4月も引き続き休校が決まり、1日中目が回るほど忙しい日々が続きます。5月にはあまりの多忙さにスタッフ3名が退職。寺岡さんは「5月を乗り切れば一般営業が再開できるはず」と、微かな希望を抱いて必死に働き続けました。