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「最低賃金レベルの仕事をすればいい」 海外暮らしで知った仕事に対する考え方の違い 日本人が見た働きぶりとは

公開日:  /  更新日:

著者:ユキ

南米の空港でも似たような経験をしたことが…

 レストランに限った話ではないのですが、日本人のスタッフは、真面目で実によく働くなと感心します。日本にいたときは当たり前のように思っていました。

 以前、南米を旅行していたときに、チリのサンティアゴにある国際空港のパスポートコントロールで、窓口の女性がスマートフォンを横置きに立てかけていました。彼女に呼ばれてパスポートのチェックを受けて、窓口の横を通り過ぎるときに、ふとスマートフォンの画面が目に入りました。ゲームアプリが立ち上がっていたのです。

 人もまばらで、それほど忙しくはなさそうなのですが、これはいかがなものなのだろうかと。さすがに極端なケースだとは思いますが、日本の空港で働くスタッフがゲームをしながらパスポートをチェックするというのは、ちょっと想像がつきません。

日本人の働き方について考える

 あるとき、こちらの友人と仕事についての話をしていたところ、最低賃金の話題になりました。その友人いわく、「最低賃金しか支払われないということは、最低賃金のレベルの仕事をすればいいんだよ」とのことなのですが、日本人は、あまりこういう考え方をしないでしょう。仕事に対する考え方が根本的に違うような気がします。

 ただ、それが災いしてか、いいように利用されるケースもあるのかもしれません。

「常に経営者目線で働け」

 スタッフに向けて、そんなことを要求する経営者の話を聞いたことがあります。従業員が自分の成長のために、自発的にそうしているのならいいでしょう。ただ、経営者側がそういった働き方を従業員に求めるのであれば、経営者と同様にとは言わないまでも、少なくともそれなりの給与を払う必要はあると思います。

 そういう経営者に限って、最低賃金に近い金額で従業員を働かせているなんてことはないでしょうか。こういったことがまかり通ってしまうのが、日本の働き手は真面目で優秀、ただし賃金は上がらないことの原因なのではないか。そんな気がしてなりません。

(ユキ)

ユキ(ゆき)

都内の出版社で編集者として働いていたが、2022年に妻の海外赴任に帯同し、渡米。駐在員の夫、「駐夫」となる。現在はニューヨークに在住し、編集者、学生、主夫と三足のわらじを履いた生活を送っている。お酒をこよなく愛しており、バーめぐりが趣味。目下の悩みは、良いサウナが見つからないこと。マンハッタン中を探してみたものの、日本の水準を満たすところがなく、一時帰国の際にサウナへ行くのを楽しみにしている。