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更年期世代にサツマイモがおすすめ? 食べるべき理由と1日の適量を栄養士に聞いた
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教えてくれた人:和漢 歩実
秋の味覚の代表的存在といえるサツマイモ。焼き芋やふかし芋、大学芋にしてもおいしいですよね。サツマイモといえば食物繊維のイメージがありますが、ほかにも優れた栄養成分を含むといわれています。とくに、更年期世代がとるべきうれしい栄養がたっぷりだそう。サツマイモの栄養や1日の適量、相性が良い食品などを、栄養士で元家庭科教諭の和漢歩実さんに伺いました。
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サツマイモに含まれる主な栄養成分とは
更年期に差しかかると、ホルモンバランスの乱れ、筋力や代謝の低下により、体調が変化しやすくなる人が多いでしょう。バランスの良い食生活が大切ですが、サツマイモの栄養面で考えると、便秘や肌荒れ、むくみといった更年期特有の悩みに寄り添う成分が多い特徴があります。
まずは便秘について。サツマイモは、不溶性と水溶性、両方の食物繊維がバランス良く含まれており、腸内環境を整えてくれます。また、サツマイモを切ったときに出る白い液体のヤラピンは、アクとしても知られていますが、便秘改善に良い成分です。
便秘の解消は、肌荒れのサポートにも役立ちます。加えて、サツマイモは、コラーゲンの生成をサポートし美肌効果があるビタミンCが豊富。通常、ビタミンCは熱に弱く、加熱調理すると壊れやすいですが、でんぷんに包まれているサツマイモのビタミンCは熱から守られるので、損失が少ないのが特徴です。
むくみの軽減については、カリウムが含まれており、体内の余分な水分やナトリウムを排出するので効果的です。カリウムは水溶性のため、煮たりゆでたりすると水に溶け出してしまいます。カリウムを摂取したいのであれば、焼くか蒸す、電子レンジで加熱する調理法か、汁ごと食べる料理にするのがおすすめです。
食べすぎは逆効果 適量をおいしく効率的に
このように、更年期世代にとってうれしい栄養成分が含まれているサツマイモですが、食べすぎには注意が必要です。サツマイモの主成分は糖質(でんぷん)。糖質はエネルギー源として不可欠な栄養成分ですが、とりすぎると肥満や糖尿病などのリスクが高まります。芋類の1日の適量は100グラムといわれていて、一般的にサツマイモ1本の重量は200~300グラム程度。食べすぎないように気をつけ、適量を楽しみましょう。
サツマイモの栄養メリットを効率よく摂取するために、みそやヨーグルト、甘酒、キムチ、チーズといった発酵食品と合わせると、食物繊維が善玉菌のエサになり、腸内環境も整いやすくなります。
また、良質なたんぱく質を含む食品と組み合わせるのもおすすめです。鶏むね肉や卵、乳製品、豆腐、納豆、魚などと一緒にとることで、筋力の維持や代謝の向上をサポートし、サツマイモに少ないたんぱく質の補充もできます。たとえばサツマイモの上に、とろけるチーズ、シラスやツナ、タラコなどの具材をのせて電子レンジで加熱すると、手軽に栄養価がアップする一品に。
ビタミンCをさらにパワーアップさせるために、βカロテンが豊富なキュウリやニンジンなどの緑黄色野菜、ビタミンEが豊富なミックスナッツなどと合わせるのもおすすめです。サツマイモと和えたサラダは、抗酸化3大ビタミンといわれるビタミンACE(エース)がそろう面も。美肌や免疫機能の維持に役立ちます。
サツマイモは満腹感を得やすいので、適量をおやつにしても良いでしょう。自然な甘味を楽しむヘルシーなおやつとして、オーソドックスなふかし芋や焼き芋もおすすめです。
(Hint-Pot編集部)