カルチャー
「伝統的な着物を着ているのに」 日本語を学ぶイタリア人 初訪日の京都で驚愕したシーンとは
公開日: / 更新日:
訪日外国人が、日本の最先端のものと伝統的な文化が融合している様子に、感動することは少なくありません。日本語を学んできたイタリア人女性は、初めて日本を訪れたとき、そうした光景を目の当たりにして強い興味と新鮮なおもしろみを感じたようです。いったい、どんな場面に遭遇したのでしょうか。
◇ ◇ ◇
「おもてなしの心に驚きました」
イタリア中部の都市・ペルージャで暮らしているカリンさんは、日本語を学んで13年。日本人が営むペルージャの書道教室に通い、ひらがな、カタカナ、漢字を600字以上覚えました。
そんなカリンさんは2015年に、「40歳になった自分へのプレゼント」として約3週間、日本を旅しました。そのとき、勉強してきた日本語がなかなか話せず大変だったそう。「でも、みんな親切で、ときにはあまりにも親切で、こちらのほうが恐縮する場面がありました」と振り返ります。
「日本でイタリア人のグループの旅行者と合流した際に、イタリア料理のレストランに行きました。グループのひとりが『パンはありますか?』と聞いたら、なかったようで……。『すみません、すみません』と何度も、本当に申し訳なさそうに丁寧に謝ってくださいました。そのおもてなしの心に驚きました」
要望に応えられないことに、真摯に謝る店員の姿を目の当たりにしたカリンさん。日本のおもてなし文化や、接客の質の高さを実感したようです。
「古いものとテクノロジーが共存しているところがおもしろい」
カリンさんは滞在中に京都へ足を伸ばし、神社仏閣などの歴史的建造物の美しい佇まいにも感激。金閣寺では「心臓がドキドキしました。太陽が差し込んだ金閣寺はキラキラ輝き、とてもきれいでした」と、インパクトが大きかったと語ります。
また、技術が発展していることにも関心を覚え、「日本は古いものとテクノロジーが共存しているところがおもしろい」と感じたカリンさん。清水寺で象徴的な場面に遭遇し、思わず写真を撮りました。
「女性が、着物を着ているのに、手にはスマートフォンを持っていて。その様子に新鮮なおもしろさを感じ、強い興味を持ちました。伝統とモダンが一緒に目の前に現れたと思いました」
日本の伝統的な衣服である着物ですが、ファッションのひとつとして楽しむ人も多くいます。和服姿でスマホを操作する光景は、日本ではよくあることです。
ただ、カリンさんの視点では、歴史や伝統を感じる着物と現代的なアイテムとのギャップが、とても大きかったのでしょう。記憶に残るシーンとなったようです。
そんな驚きを楽しんだ日本旅行から、もうすぐ10年。さらなる進化と変わらない伝統の融合を見に、また日本を訪れてほしいですね。
(Hint-Pot編集部)