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日本のお受験をハワイと比較 日本人ママが驚愕したエリート私立校の違いとは
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アメリカ・ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現地で2人の子どもを育てている45歳・主婦ライターのi-know(いのう)さん。小学2年生の7歳男児(通称・ロコ男)と、飛び級でキンダーガーデンに進級した5歳女児(通称・ロコ美)の育児経験を通して感じた日米の違いを、このコラムで紹介します。第16回は「ハワイのお受験事情」です。
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実は小学校お受験が多いハワイ
日本の10月~11月といえば、私立小学校のお受験シーズンですよね。ハワイはお受験なんて無縁、大自然の中でのんびり子育て……というイメージかもしれませんが、実は、ハワイ州全体で私立学校に通う子どもは20%もいて、アメリカ全体の平均11%よりも高い割合です(PRIVATE SCHOOL REVIEWサイト発表)。
3歳くらいから、お受験に強い勉強系のプリスクールに入れる家庭も多く、お受験用の幼児塾まであります。
子どもに小学校お受験をさせた親御さんに聞き込みをして、合格に必要な条件を私なりに分析してみると、1に親の経済力、2に子どもの実力、3にコネなど学校とのつながり、4に寄付金といった学校への貢献度(要は経済力)が必要不可欠のようです。
なぜなら、ハワイの私立校の授業料はとてつもなく高額だから。一番人気のエリート校、プナホウ・スクールはなんと年間3万1689ドル(約485万円)。夏休みは2か月あるので学校に通うのは実質10か月ですし、これ以外に制服、ランチ代、スクールバス、アフタースクールプログラムを利用するとなると、とんでもない金額になります。
もちろん、その金額に見合うだけの教育内容や施設・環境が整っているのですが、ある親御さんは「子どもをプナホウ・スクールに通わせる理由は、友達作り。将来に役立つコネクションを作らせるため」と言っていました。
プナホウ・スクール出身者には医者や弁護士が多く、学生時代に横のつながりを作っておけば、大人になったときに有効なコネクションになるのだそうです。計算高い!
日本で人気の幼稚舎と比較するとさまざまな違いが
ただ、現在30代~40代でプナホウ・スクールに通っていた人たちに話を聞くと「入学するのは、今ほど難しくなかった。学費が払える経済力さえあれば入学できた」と口をそろえて言います。それなら、いつハワイでお受験戦争が始まったのか!? 私なりにリサーチした結果、ハワイ出身のバラク・オバマ元大統領の影響が大きいのではないかと思います。
2009年、アメリカ第44代大統領となったオバマ氏は、ハワイ州出身者として初めての大統領に。地元ハワイは歓喜に沸いたと同時に、彼の生い立ちに注目が集まりました。そのオバマ元大統領の出身校が、前述のプナホウ・スクールです。以降、入学希望者が増加し、プナホウ・スクールに子どもを通わせることが、ハワイの人たちのステータスになりました。
私がまだ観光客としてハワイに来ていた頃、タクシーでプナホウ・スクールの横を通りかかると、運転手に「ここがオバマ大統領の出身校だよ」と教えてもらったことがあるほど、学校自体が観光名所化しています。
とはいえ、倍率は3~5倍なので、日本のトップ私立小学校・慶應義塾幼稚舎の倍率10.6倍(2024年度)に比べると入りやすいですね。費用面では、慶應義塾幼稚舎の2024年度授業料は121万5000円(プナホウ・スクールと同条件にするため、教育充実費と文化費を含む。入学金と給食費は省く)なので、プナホウ・スクールの4分の1の価格と考えると、ずいぶん安いです(ハワイの授業料が高すぎて、金銭感覚が麻痺しています)。
さて、どちらの学校に子どもを入れようかなぁ……と妄想するのは自由なので、我が子が明日のアメリカ大統領、はたまた慶應ボーイになる妄想でもしてみたいと思います。
ちなみに以前、ロコ男に大統領ブームがやってきて、歴代のアメリカ大統領の名前や出身地を覚えることにハマっていた時期がありました。「僕も大統領になりたい!」と大きすぎる夢を抱いていましたが、アメリカ大統領になるにはアメリカの地で生まれていることが必須条件。なので、日本生まれのロコ男は決してアメリカ大統領になれません……という悲しい現実は、ロコ男には伏せています(笑)。
今回はハワイのお受験事情について紹介しましたが、次回は「ハワイの私立校の光と闇」ついて書きたいと思います。
※1ドル=約153円で換算(11月2日現在)。
(i-know)