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「こちらに天才がいらっしゃいます!」 ハイチュウがバラに 砂糖菓子職人の技術に驚きの声続々

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ソフトキャンディで作ったバラ【写真提供:長谷川健太(@kenta_sucretier)さん】
ソフトキャンディで作ったバラ【写真提供:長谷川健太(@kenta_sucretier)さん】

 味だけでなく、目でも楽しませてくれるスイーツ。SNSではときに、完成度の高さから、思わず目を疑う作品が話題になることがあります。X(ツイッター)では、砂糖菓子アーティストが作った1輪のバラが話題に。その素材を知った人から驚きの声が続出しています。投稿者の長谷川健太(@kenta_sucretier)さんに詳しいお話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

17万件もの“いいね”が集まり大反響

 パープルとホワイトのグラデーションが美しい1輪のバラ。生命力あふれる花脈が現れた花弁は、しっとりとした質感で本物にしか見えませんが、なんとプロの職人が作ったもの。しかも、素材がソフトキャンディのハイチュウだというから驚きです。

「これ。ハイチュウ。作った。バラ」

 そんなコメントが添えられた投稿は話題になり、18万件もの“いいね”が。リプライ(返信)には「ものすごくゴージャスなハイチュウ……!」「こちらに天才がいらっしゃいます!」「花壇にあったら気づかずに写真撮る自信ある」「公式からなんらかのオファーが来そう」など、驚きの声が寄せられています。

シュガーアート協会の副会長としても活躍する長谷川さん

 作ったのは、砂糖菓子アーティストを意味する“シュクレティエ”の長谷川健太さん。“シュクレティエ”とは長谷川さんが作った造語です。チョコレートを専門に扱う洋菓子職人をショコラティエと呼ぶように、砂糖を専門的に扱える職人にも名前があるべきだと考え、名づけたといいます。

 長谷川さんは専門学校を卒業後、帝国ホテルで6年、白金でシェフパティシエとして2年働いたのち、チョコレート工場を友人と立ち上げました。その後、「SUCRETIER(シュクレティエ)」というパティスリーブランドを発足。

 現在は、ネットショップでケーキやシュガーアート作品を販売するほか、ラグジュアリーブランドのスイーツ監修や、製菓学校の講師、社団法人日本シュガーアート協会の副会長なども務めています。

 そんな長谷川さんが、ハイチュウを使ってバラを作ったのには、砂糖菓子をもっと身近に感じてほしいという願いがありました。

「ずっと、お砂糖などを使ったシュガーフラワーなどの細工を中心に作ってきました。作品を見た人から『すごい』『きれい』など、うれしいお言葉をいただいておりましたが、『自分にはできなさそう……』とか『すごすぎて、雲の上の存在』というようなコメントをいただくことも。そこで、みんなにもできるんだよ、パティシエになったらこんなこともできるんだというような思いがあり、楽しさを共有したくて、ハイチュウという身近なものを題材にしました!」

たったの15分で完成! キャラメルでも挑戦

 これまで作ったバラは5000輪以上という長谷川さん。その技術は体に染みついており、たとえ材料がハイチュウに変わったとしても、難しいと感じることはなかったそうです。

「ハイチュウのバラは15分くらいで完成しました。その後、キャラメルでも作ってみたのですが、こちらはより薄さやリアルさを追求したので30分くらいかかりましたね。でも、キャラメルのほうが作りやすかったです!」

 花の部分にはブドウ味、葉の部分には青リンゴ味を使用。こだわりは、リアルさを大切にしつつも、身近なお菓子を使っていることもあり、見た人が挑戦してみたいと思うようにかわいらしく見えるよう仕上げたことでした。

 ちなみに、「食べるのがもったいない!」という声も多く届きましたが、「できあがって写真を撮影した瞬間、口いっぱい頬張った」と長谷川さん。数日で散ってしまう本物のバラ同様、ハイチュウのバラも儚い運命をたどったようです。

 多くの人を魅了している長谷川さんの作品。これからの活躍も楽しみですね。

(Hint-Pot編集部)