Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

からだ・美容

寒い季節に起こる手のかゆみ 「しもやけ」ではない可能性も 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:神島 輪

「放っておけば自然に治る?」 医師の答えは…

「放っておけば治りますか?」と聞かれることがあります。しもやけの場合は、春になって暖かくなると自然に治ることが多いです。手湿疹も、原因となっている外的刺激が加わらなくなると治ります。

 とはいえ、どちらも症状が長く続くと、傷口からばい菌が入って化膿して、どんどん悪化してしまうことがあります。手湿疹の場合は、原因となる外的刺激やアレルゲンがなんなのかを特定することも大事です。

 また、対処してもなかなか治らないときは、ほかの病気が隠れている可能性もあります。単なる手荒れと放置せずに、できるだけ早めに皮膚科専門の医師の診察を受けましょう。

予防アイテムはどちらも「手袋」

 しもやけや手湿疹を日常的に予防するためには、以下のような対策が効果的です。

○しもやけの予防法
 手袋をして保温するのが有効です。指先まで血流を良くする工夫をしましょう。汗をかいて濡れた衣服のまま、寒い場所にいるのもNGです。体温が奪われ、しもやけが起こりやすくなります。秋冬でも、汗をかいたら着替えるようにしましょう。足のしもやけでいうと、きつい靴下や靴は血流を妨げて発症しやすくなるので注意を。

○手湿疹の予防法
 手湿疹にも、手袋は予防効果大です。肌を乾燥させないように、秋冬など乾燥する季節は、こまめに保湿クリームを塗って手袋をするのが良いと思います。予防のためにハンドクリームを塗り始める時期としては、11月くらいからがおすすめです。

 しもやけや手湿疹に限らず、日々意識してほしい手荒れの予防という点では、「手を濡れたまま放置しないこと」を心がけてください。手汗をかいたときや、手を洗ったときは、すぐにタオルなどで優しく拭き取りましょう。濡れたままにしておくと肌が必要以上に乾燥し、刺激になってしまうので、避けるようにしてください。

(Hint-Pot編集部)

神島 輪(かみしま・りん)

東京女子医科大学卒業後、同大学病院皮膚科入局。その後、主に美容皮膚科クリニックでキャリアを積んだのち、2019年に水道橋ひふ科クリニックを開院。専門は皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科、アレルギー科。アトピー性皮膚炎やニキビに悩んだ自身の経験から、患者に寄り添った治療をモットーとしている。