仕事・人生
平野ノラ 40代で決断した出産、激痛で涙の時期も…3歳娘に毎晩伝える「生まれてきてくれてありがとう」
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“バブリーなネタ”でおなじみのお笑いタレントの平野ノラさんは、結婚5年目の2021年3月に42歳で第1子の長女をもうけ、高齢出産を経験しました。初めての出産は想定外の大変さだったと言います。愛してやまない“バブ子ちゃん”は、来春に4歳を迎えます。テレビで活躍するママの姿を見ると、クスっと笑ってしまう行動を取るそうです。40代で決断した出産と、愛情たっぷりの育児についてお話を伺いました。(取材・文=吉原知也)
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2021年3月に42歳で第1子長女を出産 転機はコロナ禍、夫婦の話し合い
私は31歳で芸人を志しました。芸能デビューが遅いので、「まずは芸人として一人前になって生計を立てていかないと。結婚や出産はもしかしたら難しいかもしれない」と考えていました。母(澄子さん、愛称スーミー)にも伝えていました。母は「それでも全然いいよ。頑張って」と応援してくれていました。
大きな転機になったのは、新型新型コロナウイルスでした。コロナ禍になってエンタメ業界が完全に止まって、それまで走り続けてきた私自身もストップすることになりました。これが結果的に、心も体も休ませることにつながりました。時間ができた分、夫婦で一緒に「この先どうしようか」と、将来についてたくさん話し合いました。授かりものなので、自分たちの意思だけではどうにもならない部分はありますが、「子どもがいる生活」を想像することができたんです。正直なところ、あのまま走り続けていたら、子どもを持つということは考えなかったかもしれません。
出産を経験してみて、私自身初めてなので、高齢出産だからかどうかは分からないのですが、とにかく大変過ぎて……。難産になってしまい、想像以上の痛みでした。(分娩を誘発させるための)バルーンを使っても、陣痛促進剤を打っても赤ちゃんが出てこなくて、今度は血圧が落ちてしまって、これ以上は危ないとなってしまい、最終的には帝王切開に踏み切りました。呼吸法も事前に勉強して何度も練習していたのですが、用意していたことを全部忘れてしまいました。本当にまさかの連続でした。
出産後は実は、つらくて痛くて、毎日泣いてました。よく『コロナ禍の出産だから、人に会えなくて大変だったでしょう』と言っていただけるのですが、あまりの痛さで、誰か来ても笑顔になれなかったと思います。それぐらい余裕が持てませんでした。
おっぱいをあげるのも激痛。普通に自然に出るもんだろうと思い込んでいましたが、これがなかなか出ないんです。助産師さんにマッサージをしてもらうのですが、これが痛くて痛くて。ようやく出た1滴を、哺乳瓶の先ですくって娘の口に運ぶ。そこから始めました。
そんな中でも、やっぱり赤ちゃんはかわいい。文字通り、娘は私にとっての「希望」になりました。
仕事との両立は出産前から考えていて、出産から2か月後の復帰を見据えていました。育児は1人で抱え込まず、みんなで取り組むことを前もって計画していました。旦那さんと母と協力し合って、子育てに取り組んでいます。
娘の卒乳は3歳で、娘が飲まなくなるタイミングで終わりということにしました。授乳に関する私の思いをインスタグラムに書かせていただきましたが、悩んでいるママさんたちには「1人じゃないよ、どの選択もリスペクトだよ」と伝えたいです。
卒乳と同じ感覚でいるのが、抱っこです。娘が欲しがるうちはやってあげようと思っています。ちょっと体力的にしんどい面も出てきています。だからいつも、「これで最後かもしれない」と思って、腰を入れながら抱きしめています。抱っこって大変なんだよ、ということを娘にもちょっと理解させながら、娘との時間を大事にしています。
そう考えると、あと3年なんですよね。多分小学校に上がったら、お母さんよりお友達と遊びたくなったり、習い事のほうに夢中になったり、そうなるのかな。子どもと本当の意味で触れ合えるのは、もうカウントダウンが始まっている気がしています。その時に、自分がやり切ったと思えるように、「もっと触れ合っておけばよかった」という後悔は絶対にしないように。そう考えています。それに、寝る前に毎晩「生まれてきてくれてありがとう、大好きだよ」と娘に伝えているんです。ちゃんと言葉で気持ちを伝えたいと思っています。