仕事・人生
大学在学中の妊娠発覚、学生結婚―4人の母をしながら取締役に バリキャリママのキャリア戦略
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プロ人材(委託業務)と企業をマッチングするサービス「キャリーミー」を手がける会社・Piece to Peace。そこで6月末まで取締役CEOを務めていたのが、毛利優子さんです。プライベートでは4人のお子さんのお母さん。しかも最初のお子さんを産んだのは、大学時代でした。さまざまな分野で活躍する女性たちにスポットを当て、その人生を紐解く連載「私のビハインドストーリー」。学生結婚からの4人の育児、取締役になるまで、毛利さんはどのような道を歩んできたのでしょう。前編では、その軌跡を伺いました。
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大学4年生になる春休み、長男を出産
会社では取締役CMOとして重責を担っていた毛利さん。その素顔は、ほんわかとした雰囲気が魅力的で、とても朗らかな女性です。インタビュー中もコロコロとよく笑い、「小さい頃は、母にちびまる子ちゃんみたいと言われていました(笑)」というエピソードも納得の明るさ。そんな毛利さんは、実は中学生になる頃にはすでに、将来の目標を持っていました。
「“自立して生きること”、そして“家庭を持つこと”。とくに経済面に関しては、いつ何があっても、自分で自分の道を選べるように自立していたいと思っていました」
その後、立教大学へ進学。社会学部で経営戦略などを学んでいた3年生の夏、まさかの出来事が起こります。
それは――妊娠の発覚。
「中学生からおつきあいしている、今の夫との間に授かった子でした。もちろん将来への不安もありましたが、それより大きかったのは、『子どもができたなら、絶対に就職しなきゃ!』という気持ちです」
ふたりはすぐに結婚し、「夫婦として自立しなければ」と親元を離れて暮らすように。妊娠中だった毛利さんは、家庭教師のアルバイトをしながら就職活動に臨みました。応募する企業の基準は、「自分がやってみたい仕事はいくつかありましたが、それよりも保育園のお迎えに間に合うよう定時で帰れるか」だったそうです。
そして、就職活動が続く大学4年生になる春休み、長男を出産。出産後は、リクルートスーツで長男を抱っこし、電車に揺られて実家まで。そして、子どもを預けたら面接へ――。
就活も育児も初めてで、「子どもさえ元気ならいい!」と無我夢中で進むハードな日々。そこでようやく内定を勝ち取ったのが、大手の監査法人でした。
「実は私、結婚して子どもがいることをどのタイミングでお伝えするべきかわからなくて(笑)。ドキドキしながら最終面接で伝えたら、女性役員の方が『そうなのね、頑張って』と。本当に救っていただいたなと思います」