Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

美容師が施術中にされると「困ること」 シャンプー中のNG行為とは 美容師に聞いた

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

「かゆいところは?」と聞かれたとき、「ない」と答える人がほとんど(写真はイメージ)【写真:写真AC】
「かゆいところは?」と聞かれたとき、「ない」と答える人がほとんど(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 新しい年を迎え、美容院でヘアスタイルを変えるなどして気分を一新したい人もいるでしょう。気持ち良くイメージチェンジしたいところですが、施術中に気になることやちょっとした不快感があっても、言っていいものか迷い、なかなか美容師さんに伝えられないことがあります。また、良かれと思ってやったことが、思わぬ“事故”につながる場合も。やってしまいがちだけれど気をつけたい、美容院でのNG行動について、合同会社サステアの代表で現役美容師の三村浩章さんに伺いました。

 ◇ ◇ ◇

タオルやフェイスガーゼを顔にかける理由とは

 お店によって違いはありますが、シャンプーをする前に、口や鼻周りを避けて顔にタオルをかけられたり、フェイスガーゼで覆われたりすることがありますよね。これは、顔にお湯や泡がかからないようにするためです。

 息が苦しいというお客様には、フェイスガーゼを折って目の部分にだけかける場合もあります。これだけでも十分だと思いますが、鼻や口元など覆われていない部分にお湯や泡がかかる可能性もあるため、できればタオルやフェイスガーゼは顔にかけておいたほうがいいでしょう。

 タオルやフェイスガーゼで目元が覆われているからと、目を開けたままでいるお客様がいます。目の中にお湯や泡が入ることはありませんが、ふとした瞬間にタオルやフェイスガーゼがはずれることはあります。そんなときに、美容師と目が合って気まずい思いをしないよう、施術中は目を閉じておいたほうがいいでしょう。

気になることがあれば具体的に伝えること

 美容院でのシャンプーの施術の目的は、汚れを落とすことと、リラックスしてもらうことです。肌と肌が触れる施術ですし、お客様には気持ち良くなってほしいと思います。

 シャンプーをするときに「かゆいところはないですか?」とお客様に聞いていますが、これは洗い足りないところや、シャンプーが肌に合っていないかなどを確認するためです。このとき、多くのお客様から「ない」と言われます。

 美容師としては、お客様に満足していただける施術がしたいため、もし「本当はかゆいところがある」場合は、遠慮せずに言っていただいたほうがありがたいです。お客様はそのとき、どうしてほしいのかをできるだけ具体的に伝えるといいでしょう。

 たとえば、洗い足りないと感じているときは、ここがかゆいとか、もっと力を入れてほしいなど。また、お湯加減も個人差があると思うので、少し熱いと感じた際は率直に言っていただいて問題ありません。温度調整は可能です。

 美容師としては、お客様からの「気持ち良かった!」が一番のご褒美です。何か気になることがあれば、すぐに伝えてください。

自分で頭を上げると思わぬ“事故”に

 シャンプー中、後頭部から襟足を洗うときにお客様の頭を持ち上げようとすると、サポートするようにご自身で頭を上げようとする人がいます。美容師の負担を考えてのことだと思いますが、実はされると困る行為です。

 後頭部を洗うとき、片方の手でシャワーヘッドを上向きにして、頭に密着させています。襟足に差しかかったタイミングで、もう片方の手で頭を持ち上げますが、このときにお客様がご自身で頭を上げると、密着させたシャワーヘッドが頭からはずれ、上向きになったシャワーヘッドから湯が噴水のごとくしぶきを上げる……ということも起こり得ます。

 さらに、頭を支えている美容師の手とお客様の首に隙間ができ、水が首を伝って背中に流れてしまう可能性もあります。また、場合によっては顔が濡れてしまうことも。これらは、美容師として避けたい“事故”です。

 お客様に快適な時間を提供したいため、シャンプーの施術中は頭と首の力を抜いて、美容師に身をゆだねてほしいですね。

◇三村 浩章(みむら・ひろあき)
合同会社サステア・CEO。hair make /COUR代表。滋賀県美容組合副理事長。シャンプーソムリエの資格を持つ現役美容師。今までに向き合ったお客様の数、延べ12万人以上。高校卒業後、兵庫県神戸市のサロンに勤務。その後、滋賀県彦根市にCOURを出店。ヘアショー、各種セミナー、神コレのヘアメイク、雑誌のヘアメイク、メーカーのプロダクトの企画テストなどをこなす。また、シャンプーオタクが作ったリペアシャンプー「サステア」をECサイトにて販売中。

(Hint-Pot編集部)