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「年を越したという実感が日本よりも薄かった」 フランス人と結婚した日本人男性 妻の母国で過ごしたお正月で感じた「新鮮さ」とは
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お正月に故郷へ帰り、家族と一緒に過ごす人は多いでしょう。日本で暮らす外国人も、家族を連れて母国へ帰り、新しい年を迎えているかもしれません。山形県で暮らし、日本人の夫・玄徳さんとYouTubeチャンネル「YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonSoirTV」を運営する、フランス人のアマンディーヌさん。フランスではどのようなお正月を過ごすのか、また、玄徳さんがフランスのお正月で感じたことなどについて伺いました。
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新年を迎える日本人とフランス人の意識の違いを実感
お正月は新年を祝う行事として、日本で古くから大切にされています。実家に帰省し、おせち料理を食べたり、初詣に行ったりといった風習は日本特有のもの。フランスにはそのような文化がないといいます。
「一般的なフランス人は、大晦日を友人の家で過ごします。ごちそうなどを食べたあと、カウントダウンして、深夜までパーティー。日本のクリスマスの過ごし方とすごく似ていると思います。フランスでは1月1日に特別なことはしません」
アマンディーヌさん自身、子どもの頃のお正月の過ごし方は「フランス人のイメージとは少し違う」もので、年越しを友人宅ではなく、自宅で家族と一緒に過ごすことが多かったそうです。みんなで晩ごはんに少し豪華な料理を食べ、ボードゲームを楽しんだあと、テレビでエッフェル塔のカウントダウンを観るのが恒例だったそう。
「過ごし方は人それぞれですが、フランスも『新年に挑戦する!』という意識があるから、新しい年を迎えて気持ちを切り替える人や、意欲を感じる人が多いと思います。日本では、その年に何が起こるかわからないけれど、うまくいくようにお祓いしたり、おみくじを引いたりして、特別感があって楽しいです」
日本人が前向きに新しい年を始める姿に、関心を寄せるアマンディーヌさん。お正月という文化を通して、日本人とフランス人の違いを改めて感じたそうです。
「運命に任せるということで、次の年のいいところも、悪いところも心から歓迎するところに、日本人の心の広さを感じました。フランスでは、『今年は悪い年だ』『いい年だ』というのを決めつけてしまう人もいます。悪いと思ってしまえば、小さな嫌なことがあってもそれを強調してしまい、なかなかポジティブに思えないので、もったいないなと感じます」