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「娘には、こういう学校に通ってほしかった」 フランス人が日本の小学校を絶賛した理由とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

お母さんと一緒に日本の小学校を訪れたアマンディーヌさん(画像はスクリーンショット)
お母さんと一緒に日本の小学校を訪れたアマンディーヌさん(画像はスクリーンショット)

 国や地域、規模など、要素によって学校の教育スタイルはさまざま。人数が少ないからこそ、国際交流に力を入れている学校もあるようです。YouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonsoirTV」が人気を博している、フランス人のアマンディーヌさん。日本滞在中のお母さんと一緒に、日本の小学校を訪れました。学校ではお母さんが子どもたちと学び、楽しめる授業も用意。多くの工夫がなされている日本の教育現場に、得るものが多い一日となったようです。

 ◇ ◇ ◇

「そういうのがあるんですか…?」

 以前、フランスの小学校で日本についての授業をする企画をしたことがあるアマンディーヌさん。その際、学長が日本の小学校と交流をしたいとの希望を呼びかけ、愛知県豊田市にある全校生徒29名の小渡(おど)小学校との交流につながりました。

 今回はその小渡小学校に、アマンディーヌさんとお母さんが訪問。校長先生から、朝の会で子どもたちの健康状態を確認すると説明され、アマンディーヌさんは「そういうのがあるんですか……? 初めて聞いた!」と驚き、お母さんも「それは素晴らしい!!」と小さく拍手し、さっそく文化の違いを実感しました。

 全校生徒の前であいさつをしたふたりは、その後、授業に参加。最初は1・2年生のクラスで、お箸の正しい使い方を習います。

「お箸をうまく使えないから、みんなと一緒に学べるのはうれしい!」と、笑顔で授業に向き合うお母さん。アマンディーヌさんの夫・玄徳さんのアドバイスで練習してきただけあって、先生の指導の飲み込みも早く「コツを掴んだかも」と自信を覗かせます。

 お箸の正しい使い方を学んだら、器に入った豆をお箸で別の器に移動させる「豆掴み」をすることに。お箸をきちんと使えるアマンディーヌさんは、ハンディキャップとして菜箸を渡されました。

 練習をしてから、みんなと競争です。次々と子どもたちが「終わった!」と声を上げるなか、真剣に豆と向き合うお母さん。子どもたちが取り囲み、「頑張れ! 頑張れ!」と応援してくれます。

 お母さんは最後になってしまいましたが、みんなの声援を受けて無事に完了。子どもたちが歓声を上げ、アマンディーヌさんは「大事なのは最後まで掴み切ることだよ」とお母さんをねぎらいました。

 お母さんは「すごく充実した授業だった!」と大満足の様子。アマンディーヌさんが、子どもたちが応援する姿に驚いたと語ると「教室で『頑張れ!』という声が響いていたね」と言い、一体感のあるクラスの雰囲気に感心したようです。

日本人からも「勉強になりました」

 その後、ふたりはさまざまな学年のクラスに参加し、給食や芋掘りなど、子どもたちと一緒に楽しみました。どの授業でもフランスの小学校との違いを覚え、とても感心した様子です。

 実は、アマンディーヌさんは子どもの頃、学校になじめず内向的な性格になったそう。図書館の本の存在に助けられたと振り返りつつ、「日本のように集団での行事があったりする、そういう環境で学びたかった」と明かします。

 お母さんも、そんな娘の姿を見てきたからこそ、小渡小学校の工夫された授業や学校全体のアットホームさ、生徒たちが励まし合う温かな環境を実感。「娘には、心からこういう学校に通ってほしかった。きっと友達も作れたし、長年の内向的な性格もなかっただろう」と感じ入ったようです。

 日本とフランスの違いだけでなく、特色ある小学校の様子に、コメント欄には「お母様に日本の小学校を知ってもらう企画ではあったんですが個人的に、今の小学校を知れて勉強になりました」「こんな学校、本当に素敵 少子化で廃校になるところもあるだろうけど、なくならないでほしいなぁ お母さんが学校体験できて良かったです! お箸めちゃ上手」など、称賛の声が寄せられています。

(Hint-Pot編集部)