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海外育ちの男の子が日本の小学校で楽しかった意外すぎることとは 「日本の価値観を学んでくれた」

公開日:  /  更新日:

著者:i-know

掃除の時間がある日本の小学校(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
掃除の時間がある日本の小学校(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 アメリカ・ハワイ在住歴10年の45歳・主婦ライターのi-know(いのう)さん。ロコ(地元民)と結婚し、現在は小学2年生の7歳男児(通称・ロコ男)と、飛び級でキンダーガーデンに進級した4歳女児(通称・ロコ美)の2人を育てているママです。夏休みに一時帰国した際、子どもたちは、日本の幼稚園や小学校へ通っていました。その経験を通して、このコラムでは日米の子育てや、i-knowさんがそれぞれの学校生活で「ここが変だよ」と感じたこと、逆に「いいね!」と思った点など紹介します。第9回は「日本の小学校にあって、ハワイの小学校にない5つのことパート1」をご紹介します。

 ◇ ◇ ◇

その1・ハワイの小学校には掃除の時間がない

 ロコ男が日本への一時帰国の際に通っていた小学校では、給食のあとに週3回、掃除の時間がありました。頻度は学校にもよるとは思いますが、全国どこでも、日本の小学校では必ず掃除の時間が設けられていますよね。

 一方、ハワイ(だけでなくアメリカ全土)は、子どもが学校で掃除をすることは一切ありません。教室の机を拭くこともしませんし、消しゴムのカスを床に落としてもそのまま。ランチを食べるカフェテリアのテーブルを拭くことも一切ありません。

 その代わり、掃除専門の清掃員が学校内すべてを掃除するので、きれいに保たれてはいます。しかし、子どもたち自身に掃除をする習慣がつかないため、お菓子袋を破った際の小さなパッケージ片が、校内に限らず公園などにも無造作に捨てられているのは、よく見かける光景です。

 ハワイの小学校で掃除をしないからか、ロコ男は日本の小学校で雑巾がけをすることが楽しかったようです。「自分で雑巾を絞って、教室の床を拭くんだよ!」とうれしそうに話していました。

 約40年前に私がやっていた方法と、令和のやり方が変わらないのは少し疑問ではありましたが(モップがけでもいいのでは? と思ったしだい)、掃除の時間を通して「自分たちの場所は、自分たちできれいにする」という日本の価値観を学んでくれたのは、親として、とてもうれしく感じました。

その2・ハワイには運動会がない

 ロコ男が日本の小学校に通っている間は、運動会が実施されなかったので、参加する機会は得られませんでしたが、ハワイには運動会がありません。

 その代わり、ロコ男がハワイで通う小学校では、一年に一度スポーツフェスティバルというものがあり、学校のすぐ隣にある公営テニスコートでちょっとした運動イベントが開催されます。

 日本の運動会はダンスの練習をしたり、徒競走やリレーの練習をしたりして用意周到に運動会の日を迎えますが、ハワイではスポーツフェスティバルに備えて事前に練習をすることは一切ありません。遊びながら体を動かす、小一時間のちょっとしたイベントです。親は参加せず、見学に行くこともなく、当然、お弁当も作りません。

 公営テニスコートでイベント? 運動場や体育館でやらないの? と疑問に思われた方もいるかもしれません。なんと、ハワイのほとんどの小学校には運動場や体育館がないんです(注:ごく少数、体育館がある小学校があります)。

 たいていの場合、小学校に公営テニスコートか公営バスケットボールコートが隣接していて、休み時間はそこで体を動かします。当然、誰もが出入りできる場所なので、防犯面が心配ですし、ロコ男によると、タバコの吸い殻をたびたび見かけるそうです……。

「WORLD POPULATION REVIEW」が2024年に発表した「安全な州ランキング」。青が濃いほど安全(画像はスクリーンショット)
「WORLD POPULATION REVIEW」が2024年に発表した「安全な州ランキング」。青が濃いほど安全(画像はスクリーンショット)

 防犯面といえば、アメリカのなかでもハワイ州は比較的安全な州といわれています。あらゆるジャンルに関して統計をまとめたアメリカのウェブサイト「WORLD POPULATION REVIEW」によると、全米50州のうち安全な州の第1位はカナダに隣接する東海岸のバーモント州で、ハワイは第5位につけています。ちなみにワースト1位は南部のルイジアナ州で、ワースト10位内にはディズニーワールドがあるフロリダ州が入っています(2024年発表)。

 安全だからこそ公営のテニスコートを子どもたちに使わせているのでしょうが、親としては一抹の不安も……。しかも、ハワイの小学校の正門は、日本のように完全に閉められることがなく、守衛さんもいません。誰でも出入り自由なので、全米5位という結果にあぐらをかいているのでは? と、心配性な私は気を揉んでいます。

 以上、「日本の小学校にあって、ハワイの小学校にない5つのこと」のうち2点をご紹介しました。残りの3点は次回に!

(i-know)

i-know(いのう)

大学卒業後、即フリーランスライターに。お笑い雑誌やファッション誌で、著名人のインタビューを中心に活躍。大好きな東方神起に取材できたことを機に、日本のキャリアに一区切りをつけ、2013年、単身ニューヨークへ。2015年、ハワイのロコ(地元民)と結婚し、現在は2人の子ども(7歳、4歳)を完璧なバイリンガルに育てるべく奮闘している。