からだ・美容
健康・加齢と鼻
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教えてくれた人:鬼沢 正道
正月明け、ふと鏡で自分の顔を見たら「以前より鼻が大きくなった?」と気になる人がいるかもしれません。若い頃は鼻筋が通っていたのに、年を重ねるにつれて低くなり、鼻の穴が広がってきたと感じることも。加齢により、鼻の大きさや形は変わるものなのでしょうか。それとも正月太りで偶然、そう見えるだけ? 美容外科の鬼沢正道医師に、鼻の肥大化についてお話を伺いました。
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鼻の肥大化は誰にでも起こり得る?
鼻の穴の大きさや形状の変化は偶然ではなく、年齢を重ねていくと、多かれ少なかれ誰にでも起こり得るものです。大きな原因は「頭蓋骨」と「軟骨」、そして「皮膚組織」にあります。
まず頭蓋骨についてです。加齢により全身の骨量が低下しますが、それに伴い頭蓋骨も形状が変わっていきます。そもそも頭蓋骨には、鼻の基盤ともいえる「梨状孔(りじょうこう)」と呼ばれる空洞があります。梨状孔は骨量が減ることで広がっていき、その結果、広がりに合わせて鼻を形成する組織が横へ引っ張られる形になり、鼻の穴が大きくなるのです。
鼻は軟骨が支えています。大鼻翼軟骨、鼻中隔軟骨、上外側鼻軟骨などがあり、鼻の高さの要素になるものです。これらの軟骨は、加齢とともに柔軟性が失われていき、支える力が減少していきます。鼻が低くなったと感じるのは、軟骨が硬くなったためです。
また、鼻の皮膚組織は皮脂腺が多く、これらが加齢とともに肥厚になったり、萎縮を繰り返したりすることで、鼻の皮膚が厚くなります。そのため、鼻先が丸みを帯びやすくなるのです。
以上のようなことから、年を重ねると鼻が横に広がり、鼻の穴も目立ちやすくなり、鼻先が丸みを帯びた団子鼻のような形状に変わっていくのです。