カルチャー
「贈り物のひとつだと感じました」 イタリア人が日本で特別なおもてなしを実感した意外なものとは
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日本人のおもてなし文化は、初めて訪れる外国人に鮮烈な印象を与えます。45年以上前に訪日経験があるイタリア人女性は、日本の空港で盛大に歓迎されたことを今でも覚えているそう。さらに、日本では珍しくないあるものに感激していました。いったい、何に特別なおもてなしを感じたのでしょうか。
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「自然を見せる『表現力』が素晴らしかった」
俳優や歌手、小説家として活動しているイタリア人のフロリアーナ・ラ・ロッカさん。1978年に、静岡県熱海市で開催されたフェスティバルに歌手として参加しました。満員の観客を前にパフォーマンスし終えたあと、2週間ほどの観光を楽しんだそう。
日本の繊細な工芸品や豊かな食文化などに触れ、イタリアにはない、数多くの得がたい体験ができたと振り返ります。
「日本で訪れたレストランに、きれいな庭が広がっていたんです。小さな池があったり、植物が顔を覗かせていたり、花が美しく咲いていたり、自然を見せる『表現力』が素晴らしかったです。イタリアではそういうのを見たことがなかったので、とても感動しました」
東京観光も満喫し、そのときの印象について「変幻自在、幻想的な世界でした。素晴らしかったです。東京は光り輝き、ものすごく明るい街という印象。銀座を散歩していたら、星の上にいるような気分になりました」と話し、大満足だったようです。
送迎の運転手が着用していた白い手袋に感激
フロリアーナさんは日本に到着したときからずっと、感動の連続だったそう。「東京の空港に到着したときに、着物を着た日本の女性たちがたくさんいて、バラの花束を抱えて大歓迎してくださったんです。このような歓迎を受けて、スターの気分でした」と、当時所属していたレーベルの日本系列企業から、盛大に出迎えられたことを明かします。
ほかにも心に残っていることがあるといいます。それは、日本ではよく見る光景でした。
「車での送迎も、運転手さんが白い手袋をはめて清潔感にあふれていました。私への贈り物のひとつだと感じましたね」
フロリアーナさんが感激した、白い手袋。日本では、タクシードライバーやバスの運転手なども着用しています。車両に汚れがつくのを避け、ハンドル操作で滑るのを防ぐなど着用の理由はさまざまですが、日本人のおもてなしの心も込められているようです。
日本人にとっては見慣れた姿に、新鮮さを覚えたフロリアーナさん。自分への敬意を感じ、忘れられない思い出になったようです。
(Hint-Pot編集部)