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「くじけそうなときに…」 日本のランドセル作りに奮闘するフランス人 心の支えになっているものとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

新たな企画をスタートしたアマンディーヌさん(画像はスクリーンショット)
新たな企画をスタートしたアマンディーヌさん(画像はスクリーンショット)

 日本のものづくりの技術は、世界的でも高く評価されています。フランス人の人気YouTuber・アマンディーヌさんは昨年、自身のYouTubeチャンネル「ボンソワールTV BonsoirTV」で「夢応援プロジェクト」と題し、夢を追いかける人の思いや努力に密着。「日本での経験から何か人生に役立ったことはあるのか」と新たな企画をスタートさせ、「夢応援プロジェクト」に登場した人が、日本での体験を糧に頑張る姿を紹介しています。

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新企画「あの人は今…」をスタート

 アマンディーヌさんは昨年、日本に対して夢を持っているフランス人をサポートする「夢応援プロジェクト」企画を行い、その夢を後押ししました。そして今回は、日本での夢を叶えた人たちの“その後”に迫る、「あの人は今…」の新企画をスタート。

 応募者175組以上の中から選ばれ、日本のランドセル作りを体験したフランス人革職人・マチルドさんの元を訪れます。

 13歳から革の勉強を始め、「ルイ・ヴィトン」や「エルメス」にも携わる革職人のマチルドさん。感動のあまり涙を流したり、想像以上につらい作業に心が折れそうになったりしながら、許された製作期間2週間で夢のランドセルを完成させる姿は、多くの感動を呼びました。

 アマンディーヌさんによると、マチルドさんの人生は、日本での体験によって大きく変わったそう。現在の様子や今後の目標について聞くため、フランスでマチルドさんと再会しました。

「応援してくれる日本のみなさんのためにも頑張りたい」

 マチルドさんは、「ボンソワールTV BonsoirTV」とのコラボで「マチルド手作りカード・名刺入れ」を受注販売。その注文でランドセル作りを続けられるようになり、新たな機械を購入し、お父さんの協力で作業用の部屋を増やしました。

 夢を叶えるためとはいえ、心が折れそうになるときも。そんなマチルドさんの原動力は、日本での体験の動画に寄せられたコメントの数々でした。作業場の一画には、一部コメントの原文と、それをフランス語に翻訳したものを書いた紙がセットで飾られています。

「ここに貼ってあるコメントは、私の心を動かした言葉です。革職人の仕事、ランドセル製作のやる気の源になる言葉です。くじけそうなときに読む言葉です。応援してくれる日本のみなさんのためにも頑張りたい」

 そうして、日本での体験を糧に頑張っているマチルドさんですが、大きな困難にも直面していました。

 コラボ商品について「300個の予約が来たら『夢みたい』と思っていた(笑)」そう。4時間で販売を締め切ったものの、実際には予想をはるかに上回る1600個もの注文が入りました。

 想定外の注文数によって、職人の手作りで生産している革の準備が追いつかない状況に。手を尽くしたものの、商品の製作と発送時期が予定よりも遅れているといいます。

「業者が遅れても、最終的に私が商品を生産することになるから、予定通りカードケースの生産を終わらせる方法を見つける『責任』があった」と話し、自分の商品が遅れることでアマンディーヌさんの信頼が損なわれるのではと心配します。

 どうして素材の用意が遅れてしまうのか丁寧に説明し、アマンディーヌさんは、自分を責めてしまっているマチルドさんを「どうか温かく見守ってください」とお願い。責任感の強いマチルドさんが、無理をして休まずにカードケース作りを続けそうなことを気遣いました。

 母国に戻ってからも真摯にやりたいことと向き合うマチルドさんに、コメント欄には「マチルダさんを応援したいので、マチルダさんが作ったカードケースを買うとなった人が多いと思っています。なので、いつまでも待っていますよ。体を壊されると本末転倒ですからね」「日本は昔から職人の仕事を尊ぶ社会です。良い品を作るには、時間と手間がかかることも日本人は知っています。だからマチルドさん、焦らず慌てず無理をせず、安心して丁寧な仕事を心がけてください」などの声が殺到しています。

(Hint-Pot編集部)