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「西洋人とはかなり違うなと思いました」 イタリア人女性が日本で受けたおもてなし 「親切」と感激したこととは
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外国人は、日本人に対してどんな印象を持っているのでしょうか。実際に訪日すると、そのイメージが変わることもあるようです。47年前に日本を訪れたイタリア人女性は、日本人とふれあうなかで、自分の持っていたイメージとは違う一面に接して、感激したことがあったといいます。とくに思い出に残っているのは、どんなことだったのでしょうか。
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「日本人はそんなにオープンではないと聞いていたので…」
歌手や俳優、小説家として活躍している、イタリア人のフロリアーナ・ラ・ロッカさん。現在も歌手として、舞台を中心に活動しています。
そんなフロリアーナさんが日本を訪れたのは1978年。静岡県熱海市で開催されたお祭りに、歌手として出演しました。
初めての地での歌唱。しかも、大勢の観客で満員状態でした。スポットライトが強く当たり、足元が暗くて見えないなか、緊張と不安な気持ちでステージまで移動したフロリアーナさん。そのとき、警備員がかけてくれた言葉が、今でも忘れられないといいます。
「『こんばんは』と言ってくれたのですが、それが私の地元の方言『Cumba va(クンバ ヴァ)=友よ行け』に聞こえたんです。もう夢見心地で大海をわたるような気持ちでステージに立ったら、最高に気持ち良く歌えました」
思いがけない警備員からの声がけが、偶然にも故郷を思わせる響きとなり、緊張と不安を和らげてくれたというフロリアーナさん。
「日本人はそんなにオープンではないと聞いていたので。ほかにも日本のレコード会社の人が、自宅に招いてくれたことに感激しました。素晴らしい歓迎をしてくれました」
日本人は「優しいだけではなく、強さもある」と感激
フロリアーナさんは来日前、日本人は遠慮がちで真面目という印象を持っていたようです。そのため、訪日前は日本人とうまくコミュニケーションがとれるか心配だったとか。しかし、すぐに打ち解けられたといいます。
「家に入るときに靴を脱ぐというマナーも、『脱ぎたくなかったら、脱がなくてもいい』とまで言ってくださって、とても親切でした。日本人は優しいだけではなくて、その背後には、賢明さや正確さがあり、西洋人とはかなり違うなと思いました」
抱いていた印象とは違うおもてなしを受け、感激したフロリアーナさん。日本人に対して、「何かキリッとした侍のようなものを感じました」と振り返ります。
「どこへ行っても、洗練されて、礼儀正しく、優しい歓迎をしてもらいましたが、そこに強さを感じました。日本人には、常に何かに反応できる準備が整っているといった、厳しさも備わっています。受け身ではなく、常にアクティブでした」
フロリアーナさんは滞在中、多くの日本人とふれあうなかで、すっかり日本に魅了された様子。訪日から何年経っても、その出会いや思い出を大切にしています。
(Hint-Pot編集部)