中国由来の“郷に入っては郷に従え”。欧米でも同じようなことわざがあるなど、洋の東西を問わず、国境を越える、越えないにかかわらず、多くの人が意識する言葉なのかもしれません。フィリピンから来日したカップルも、日本のマナーを気にかけながら、滞在を楽しんでいるようです。いったい、どんなことを心がけているのでしょうか。

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地下鉄のお得なパスを活用　さまざまなスポットを精力的に観光

　たくさんの外国人観光客が訪れる東京・原宿。竹下通りなどの混み合うエリアとは違った、豊かな自然と静謐さを感じさせる明治神宮で出会ったのが、初来日のワンナイさんと日本は2回目というヘーゼルさんのフィリピン人カップルです。

　日本には「フィリピンとはまったく違う文化、食べ物、最先端のテクノロジーなどを楽しむために来た」と話すふたりは、滞在2日目にしていくつもの街に足を運んだと話します。

「昨日は浅草、秋葉原、今日は原宿に来たんだ。着いて早々に地下鉄の72時間パスを購入したから、いろいろな場所を楽しむ予定だよ。あとは銀座と築地に、今日明日くらいで行く予定なんだ」

　ワンナイさんが入手したと言う「72時間パス」は、海外から、または1都7県（東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬および山梨）以外から東京へ訪れる旅行者向けに発売されている「Tokyo Subway Ticket」のこと。東京での旅行開始から24時間（大人800円／小児400円）・48時間（大人1200円／小児600円）・72時間（大人1500円／小児750円）に限り東京メトロと都営地下鉄線の全線で利用できます。

　日本の公共交通機関の便利さや正確な運行は、海外から訪れる観光客から称賛されることの多い、ポイントのひとつ。たくさんの路線や駅がある東京の観光スポットを効率的に楽しむのに、地下鉄が乗り放題となるチケットは外国人観光客にも好評だそう。10日間の滞在予定を基本的に東京で過ごすつもりだというふたりは、このチケットを有効活用しているようです。

「お行儀が良くないんだよね？」　日本の文化を大切に考えての行動

　そんななか話をしているふたりの行動に、少し気になる点がありました。日本でも人気のスターバックスの飲み物を手にしていますが、歩くときには紙袋にきちんと入れ、飲むときは必ず立ち止まってから口にするのです。

　なぜそうするのか聞いてみると、「食べ歩きはお行儀が良くないんだよね？　やめたほうがいいんだよね？」と言うワンナイさん。日本の文化をリスペクトし、マナーに合わせようと考えて行動している姿勢が感じられます。

「でも浅草では、仲見世通りで食べ歩きを体験したよ」

　そう言って、浅草で食べ歩きをしたときの写真を見せてくれました。食べ歩きをみんなが楽しんでいる場所では、その雰囲気をしっかり満喫したことが、その笑顔からもうかがえます。

　郷に入っては郷に従い、日本の文化やマナーを大切にしてくれるのは、とてもうれしいこと。短い滞在ですが、訪れる先々の街をたっぷり楽しんでくださいね。

（Hint-Pot編集部）