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「外出が少なくても、花粉症を引き起こす」 愛犬の“花粉症”対策 飼い主がやるべきこととは
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気象庁が発表した「2025年春の花粉飛散予測」(第3報)によると、今年のスギ花粉の飛散開始時期はほぼ平年並み。しかし、飛散量は広い範囲で平年より多く、四国・近畿では2倍以上になる地域があると予想されています。実は花粉症に悩まされるのは人間だけではありません。犬も花粉症になることがあるため、対策が必要です。大切な愛犬が花粉症にならないための予防策について、ペット事業を運営する、いいなみ株式会社の代表取締役で犬の訓練士の岩井ゆかりさんに伺いました。
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花粉によるアレルギー 犬にはどんな症状が出る?
花粉症とは、花粉によって生じるアレルギー疾患を指します。花粉自体に症状を引き起こす毒性はないとされていますが、体内に侵入した花粉に対して体が過剰に反応することで、くしゃみや目のかゆみなど、さまざまな症状が現れます。
犬の場合、正確には「花粉によるアレルギー症状」という捉え方をします。アレルギーの原因となるアレルゲンは、犬ではまだ明確なデータがそろっていません。しかし、可能性のあるものとして、春先はスギ花粉のほか、イネやブタクサなどが挙げられます。
お散歩やお出かけなど、犬は外出する機会が多いため、花粉を避けられない状況になりがちです。人間はマスクや眼鏡などで花粉対策ができますが、犬の場合は難しいでしょう。
また、犬自体が外出することが少なくても、飼い主さんが外から持ち帰ってきた花粉に反応する可能性もあります。
犬の花粉によるアレルギーの主な症状は、人間の花粉症の症状と似ています。もし、愛犬に以下のような症状が現れたら早い段階で動物病院を受診しましょう。
〇主な症状
・皮膚をかゆがる
・体のあちこちをなめる
・咳をする
・体をかきすぎて、毛の抜け方が激しい
・くしゃみ、鼻水が多い
・目ヤニがいつもより多い
・目の周りなどが赤くなる、または目を気にする仕草が見られる
犬の場合は、くしゃみや鼻水といった鼻炎症状や目が充血して赤くなる結膜炎よりも、皮膚のかゆみなどが生じる皮膚炎が多いといわれています。また、頻度は不明ですが、花粉が引き起こす、喘息(ぜんそく)の発症も報告されているので注意してください。
犬の花粉症対策 室内へ花粉を持ちこまないのも大切

それでは人間のように対策をできない犬は、どのように予防をすればいいのでしょうか。散歩など普段の生活から気を付けるべき5つのポイントがあります。
〇対策
・散歩後は、愛犬の体を拭いてあげる(目の周りも拭く)
・花粉症の原因となる植物がある可能性もあるため、散歩では草むらを避ける
・ブラッシングは屋外でこまめに行い、家の中に花粉を持ち込まない
・シャンプーの頻度を増やしてかゆみを取る
・掃除機と水拭きをするなど、家の掃除をいつも以上に念入りに行う
・高性能の空気清浄機を使用する
もしも、愛犬にアレルギー症状がみられた場合は、獣医師の判断によりアレルギー検査を受けることもできます。ただし、高額になる場合があるので、事前に担当医とよく相談をしてください。
犬は人間のように自分で症状を訴えたり、病院へ行ったりすることはできません。日頃から愛犬をよく観察し、いつもと違う様子はないかこまめに確認するようにしましょう。
いいなみ株式会社代表取締役。年間2000頭の子犬のトレーニングに携わってきたベテラン訓練士。人とペットの豊かな共生社会に向けた情報を発信。日本初となる、結婚式専門のペットシッターや、各種イベントで活躍中。
(Hint-Pot編集部)