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からだ・美容

花粉症は早めの対策が肝心 風邪との見分け方は 医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:鈴木 香奈

花粉症のスタートは例年並みも、飛散量は多めに。対策は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】
花粉症のスタートは例年並みも、飛散量は多めに。対策は?(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 一般財団法人 日本気象協会の予測によると、今年の花粉飛散開始時期は九州から関東で2月上旬と例年並み。また、飛散量は北海道を除いて全国的に前シーズンより多く、特に四国や近畿、東海、関東甲信越では非常に多い予想となっています。一方で、今冬は新型コロナウイルス感染症の流行だけでなく、コロナ禍以降初めてインフルエンザが全国的な流行期に。感染症とアレルギー症状の見分け方や、つらい花粉症の症状を緩和する方法を、耳鼻咽喉科・アレルギー科の鈴木香奈先生に伺いました。

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抗ヒスタミン薬の服用は症状が出る前に

 国民の4人に1人が有病者といわれる花粉症。症状が現れる時期や感じ方は人によってさまざまですが、花粉の飛散数が多いと症状が重くなる人が増えるので、今年は注意が必要といえるでしょう。

 花粉症を予防するためには、アレルギーの原因となる物質である花粉を除去する方法しかありません。しかし、スギ花粉症の場合は、春になると至るところで花粉が飛散しているので、完全な除去は不可能です。

 ただ、症状を軽く抑えるために、体内に侵入する花粉量を少なくすることは可能。マスクやゴーグルをかけ、まめな掃除を心がけるなどできるだけ花粉に触れないようにしてください。

 症状が出る前に、アレルギーの原因となるヒスタミンという物質を抑える「抗ヒスタミン剤」を内服されると症状は緩和されます。本格的な花粉症シーズンに入り、症状がひどくなってからでは効果が限定されるため、早めに服用を開始することが大切です。

風邪や新型コロナと見分けるには

 花粉症の代表的な症状としては、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどがあります。これらの症状は、風邪や新型コロナウイルス、インフルエンザに似たものです。しかし、風邪では出ない目のかゆみを認めれば、花粉症などが原因のアレルギー性鼻炎といえます。

 また、アレルギー性鼻炎の場合、鼻水は透明でサラサラしています。風邪の場合、初期はサラサラしていますが次第に粘稠になってくることが多いです。症状はアレルギーだと朝と夕方に悪化しやすいですが、風邪はほとんど時間に関係なくあります。

 さらに、花粉症でのどが痛くなる場合も。原因不明かつ長期の痛み、かゆみがある場合はアレルギー性咽頭炎が疑われます。夕方以降に悪化するケースが多くみられる他、3週間以上にわたって痰が絡む、のどの痛み、のどのかゆみ、のどがイガイガするといった咽喉頭異常感が持続するものです。風邪症状はそのように長い経過ではありません。