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「原状回復費用」に約90万円請求の事例も 引っ越しでのトラブル 国民生活センターが注意を呼びかけ

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

春は引っ越しの多い季節(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
春は引っ越しの多い季節(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 進学や就職、転勤など、新生活のため引っ越しをする人が多い季節。賃貸住宅の場合は、退去時にトラブルが起きることがあるので注意が必要です。独立行政法人国民生活センターは公式X(ツイッター)アカウント(@kokusen_ncac)で、そうしたトラブルの対処法や対策を紹介しています。

 ◇ ◇ ◇

「きれいに掃除して退去したはずが…」

 賃貸住宅から引っ越しをする際には、入居時と同じ状態に原状回復するのが基本です。普段から壁や床などを傷つけないようにし、きれいに掃除をしてから退去する人が多いでしょう。

 しかし、同センターは退去時にトラブルになることがあると注意喚起。「今のアパートをきれいに掃除して退去したはずが……壁紙の張り替えで20万円!? きれいに使っていて汚していないのに……」という、実際の相談事例を紹介しています。

 投稿に添えられたリーフレットでは、「少し傷つけただけでクロスの全面張り替え!?」「入居時からあった汚れなのに修繕費用がかかるなんて……」といった、よくあるトラブルをイラスト付きで紹介。公式ウェブサイトの特集ページには、さらに高額の請求をされた事例が掲載されています。

「4年前に家賃約7万円、敷金礼金なし、築17年の賃貸アパートに入居し、先日退去した。退去後、管理会社から精算書が届き、原状回復費用として約90万円を請求され、納得できず見直しを要求したところ70万円になった。入居時、室内の壁紙やフロアマットは前の住人が汚したままで、当時の管理会社の担当者もそのことは確認していた。退去にあたり、立ち会いはなかった。通常の清掃を行い、普通に住んでいただけである。どうすれば良いか」(2024年7月受付・20歳代男性)

「納得できない費用を請求された場合には」

 相談事例をもとに、同センターはトラブルが起きた際の対処法や、入居時からできる対策をアドバイス。賃貸契約の締結時、入居するとき、入居中、退去時と、段階別に気をつけるべきポイントを紹介しています。

○契約する前に、契約内容の説明をよく聞き、契約書類の記載内容をよく確認する
 契約内容でよくわからないところは、貸主側(管理会社や不動産業者等)にその場で聞いて、よく理解したうえで契約してください。禁止事項や修繕に関する事項、「ハウスクリーニング費用は全額借主負担」など退去する際の費用負担に関する事項は必ず確認を。国土交通省が示している「賃貸住宅標準契約書」や「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をあらかじめ読んでおいて、契約書類の内容に異なっている部分があったら、とくにしっかり確認しましょう。

○入居するときには、賃貸住宅の現在の状況をよく確認し、記録に残す
 賃貸住宅に傷や汚れなどがないか、エアコンなど備え付けの設備がきちんと動作するかなど、できる限り貸主側と一緒にチェックしてください。写真を撮ったりメモを取ったりしながら、住宅の入居時の状況をしっかり記録に残しましょう。

○入居中にトラブルが起きたら、すぐに貸主側に相談
 エアコンや給湯器など、入居時から設置されていた機器に不具合や故障が起こった場合や、雨漏りや水漏れなどのトラブルが起きた場合には、すぐ貸主側に連絡して相談しましょう。賃貸住宅の使用のために必要な修繕は、原則として貸主側に修繕の義務があります。貸主側に無断で修繕を行うと、退去時の精算の際にトラブルになる可能性があります。

○退去時には精算内容をよく確認し、納得できない点は貸主側に説明を求める
 貸主側による精算の結果、納得できない費用を請求された場合には、国交省のガイドラインに示されている基準を参考に、貸主側に費用の明細などの説明を求め、費用負担について話し合いましょう。原則として、年月の経過による損耗、普通の使い方をしていても発生する汚れや傷などの修繕費用については、借主が費用を負担する必要はないと考えられます。

 楽しく過ごした場所が、トラブルで嫌な思い出となってしまうことも。もしトラブルが生じた場合は、最寄りの市町村や都道府県の消費生活センターなどを案内してくれる、消費者ホットライン「188」に相談しましょう。

(Hint-Pot編集部)