Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

ライフスタイル

引っ越しの見積もりに失敗しない3つのポイント トラブルを事前回避する方法とは

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:伊藤 まき

引っ越しをするとき、まず依頼することが多い見積もり(写真はイメージ)【写真:写真AC】
引っ越しをするとき、まず依頼することが多い見積もり(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 引越しがスムーズにいくか否かは、自分たちの努力とともに「業者選び」にかかっていますが、どのように選べばいいのでしょうか。まず申し込む際に発生するのが見積もり。対面なしの手軽な無料見積もりも多いですが大丈夫? そこで、輸入雑貨店で梱包を学んだ経験を持ち、荷解きや業者選びにも詳しい整理収納アドバイザー・伊藤まきさんにポイントを伺ってみました。

 ◇ ◇ ◇

見積もりは可能な限り対面で

 引越し時のトラブルは、たとえ有名な引越し業者であっても起こるもの。業者を選ぶ際は数社に見積もりを出し、金額よりも先に「対応の良し悪し」を確認するといいでしょう。丁寧な対応をしてくれて、信頼できる業者を選ぶことをおすすめします。まず、業者とのやり取りで発生するのは「見積もり」。もらう際には3つのポイントに注意しましょう。

 インターネットの普及により、WEB上のフォームやメールで見積もりを行う方が増えてきました。もちろん、こうした方法は時間がない方には便利ですし、やりとりが記録できるというメリットがあるのですが、これだけで済ませてしまうとデメリットも多く、トラブルに発展しやすいのでおすすめできません。

 トラブルが起こりやすい理由は、依頼者側が「実際の荷物量より、少なく申告する傾向にある」ということ。パッと目につく荷物だけを申告してしまい、物干し竿や照明、自転車といった意外と大きな荷物の申告が漏れてしまいがちです。すると、追加料金の発生やその交渉でトラブルが起きることも。最悪の場合は「契約にないから運べません」と断られてしまうリスクもあります。

 引越しを経験したことがある方なら分かるかもしれませんが、いざ荷造りをしてみると自分の想像以上に荷物が多いことに気づくはずです。

 知人の経験談ですが、申告漏れが多すぎたために追加のトラックと人手が必要になり、見積もりの2倍の金額がかかることに。また、当日までに荷造りが間に合わず、業者からも怒られてしまい、落ち込んでしまう結果になってしまったのです。

 本人に落ち度があるのでどうしようもないのですが、これは業者に立ち合いをしてもらって見積もりを取れば防げたトラブルです。単身者の引越しならネット上での見積もりもいいかもしれませんが、家族そろっての引越しの場合は必ず、立ち合ってもらったほうがいいでしょう。

安すぎる見積もりに注意 見積りだけのつもりが契約書であることも…

 引越しの見積りは、荷物の量や引越し先などの情報から算出されます。こうした見積もりは無料の場合が多いので、依頼する際は「見積もりをお願いしたい」と明確に伝えるようにしましょう。

 悪質な業者は、見積書ではなく「契約書」を用意してくることがあります。書面にサインや捺印を要求された際は、きちんと書面を読み、「見積書」であることを確認してから行うようにしましょう。

 なお、見積もり時には、荷運び面だけではなく、旧居や新居の床や壁を傷つけないよう養生してもらえるか、エアコンの取り外しができるかなど、細かな点でのチェックが必要です。ネット上でそうしたチェックについて記載している記事や、ブログなどを見つけることができますので、あらかじめ自分で引っ越し手続きのチェックリストを作っておきましょう。

 見積もりが安すぎる場合は、本当に最低限の作業(荷運びのみ)しかしてくれない場合があります。本契約を行う前に、見積もりに何が含まれて何が含まれないのか、わからない点があったら質問し、疑問をすべて解消するようにしてください。

 また、見積もりが高すぎる場合も要注意。何に対してお金がかかるのか、不要なオプションが入っていないかなど、必ず確認するようにしましょう。

荷物が少ない引越しは、登録型の見積もりサイトも便利

 運ぶ荷物が少なく、小型トラック一台で十分な単身者の引っ越しなら、第三者が仲介するメール登録型の見積もりサイトを利用するのもおすすめです。メールでのやりとりはすべて履歴が残るので、後々のトラブルが回避がしやすくなります。また、引越し終了後に口コミ投稿ができるサイトであればなお、料金トラブルが少なくなります。

 例え、荷物が少ないとしても、キャンプやサーフィンなど趣味の道具が多い場合や、フィギュアやプラモデルなど繊細な物を運んでもらいたい場合は、その旨も見積もりの際に申告することを忘れずに。

 どうしても壊されたくないもの、失くされたら困るものは「自分自身で運ぶ」を徹底しましょう。

(和栗 恵)

伊藤 まき(いとう・まき)

整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize