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新居の掃除と準備で「それやめといた方がいい」NG行為は? ネットで話題のテクに注意
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教えてくれた人:伊藤 まき
生活様式の変化に合わせて、本当に居心地の良い家を求めるご家庭も増えました。新しい空間に荷物を運び込む時間は、大変ですが将来への期待でワクワクしますよね。でもそこで気になることといえば、新居のお掃除。ネット上ではいろいろなテクニックが紹介されていますが、一体何をどこまでやればいいのでしょう? 掃除のプロでもある整理収納アドバイザーの伊藤まきさんが、プロの視点でお掃除の“NG”をレクチャーするこの連載。最終回のテーマは「新居の掃除」です。入居前は丁寧な掃除を……と考える人も多そうですが、実は余計なことをしてしまう可能性もあるのだとか。
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賃貸住宅なら入居前にプロの清掃が入ることも
引っ越しシーズンといえば、多くの学校や企業で新年度が始まる前の3月。長期の休みが取れる8月や、価格が若干下がることも多い12月を狙うケースもあるようです。引っ越しが決まると準備や手続きの詳細をネットで調べるという人も多いでしょう。そこで目につきがちなのが、「入居前にしておきたいこと」といった情報です。
「殺虫くん煙剤を使った方が良い、水回りのカビ対策を忘れずに、除湿剤を置きましょうなど、さまざまなテクニックが紹介されています。でも、賃貸住宅に入居する場合はプロの清掃業者が入っている場合も多いので、そこまで神経質になる必要はないでしょう。気になる場合は、内見時に清掃業者が入っているのか確認をしてください。
入居時にやっておくべきことは、換気扇のフィルター交換や、キッチン収納に汚れ防止用のシートを敷いておく程度。除湿剤や乾燥剤などを用意するようすすめる情報もありますが、部屋の環境によっては使う必要がないこともあります」
「掃除しなきゃ!」と焦った結果、本来必要ではないことをしてしまう可能性が。実際に暮らし始めてから、何が必要かを見極めて購入した方が無駄なお金を使わずに済むそうです。
やらない方が良いのは撥水コートと親水コート
入居時にいろいろやりすぎない方が良いという事実には、少しホッとしますよね。でも伊藤さんによると、やらない方が良い“NG行為”は存在するのだそう。
「入居にあたってやらない方が良いのは、水アカ予防のためステンレスシンクに撥水コートを吹き付けることです。SNSなどで人気を集めているようですが、ステンレスシンクに撥水コートを吹き付けると腐食防止用のコーティングを傷付けてしまったり、逆に汚れが落ちにくくなってしまったりすることがあります。
撥水剤は汚れが付かなくなる魔法の薬ではありません。そこを誤解しないようにしましょう。もしも撥水コートをしたいなら、こまめに塗り直すことをおすすめします。またホーローや人工大理石など、撥水コートが使えない素材もあるのでご注意を」
もう一つSNS上で流れている情報として気になるものに、窓ガラスに親水コートをするというテクニックがあるそうです。
「車の窓ガラスに親水コートをすると、水が水滴状にならず、窓の外が良く見えるようになります。でも、これを住居に応用するのは無理があるかもしれません。親水コートをするとパッキンにのりが入り込んで劣化してしまうことがあります。プロとしてはおすすめできないテクニックですね」
(和栗 恵)
伊藤 まき(いとう・まき)
整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級。ホテル清掃員や国鉄系レストランの厨房、内装会社、デパートの搬入搬出などで経験を積み、出版社に入社したのち独立。掃除しながら片づける「整理収納のプロフェッショナル」として各種ウェブメディアで記事を手がけ、掃除本の編集ライターとしても活躍中。
インスタグラム:maki_organize