からだ・美容
歯間ブラシを使うタイミング 歯磨き前がいいのは本当? 使用時に気をつけることを歯科医師に聞いた
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健康な歯を保つために欠かせない歯磨き。歯ブラシだけで取り除けない汚れは、歯間ブラシを併用すると効果的といわれますが、歯磨きのどのタイミングで使うのが適切なのでしょうか。意外に我流になっていることもあるかもしれません。歯間ブラシの“正しい”使い方について、まつむら歯科クリニックの松村賢院長に伺いました。
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歯ブラシだけでは汚れが取れにくい
最近よく見聞きする「歯周病」は、虫歯と同じくらい歯を失う要因となる怖い病気です。いつまでも健康な歯や歯茎を保つために、歯周病の早期治療はもちろん、日頃からの予防がとても重要になります。まずは日々の歯磨きで汚れをしっかりと落とすことが大切です。
一概に歯磨きと言っても、歯ブラシで歯を磨くことだけが正しい歯磨きではありません。掃除をする際に場所によって用具を変えるように、歯も場所によって用具を変えて磨かなければ、汚れがきれいに落ちないでしょう。
歯ブラシは歯の表面を掃除するのに適しています。そして、歯ブラシが行き届かない歯と歯が面している隙間にはフロスを、歯間の根元の隙間部分には歯間ブラシを使って汚れを除去します。
とくに歯間ブラシは、加齢や歯周病などによって歯茎が後退し、歯間の根元に三角の隙間がある方やブリッジをしている方に向いています。隙間に汚れを残して虫歯や歯周病の原因にならないように、上手に使い分けて活用していきましょう。
歯間ブラシは歯ブラシをする前に使用
歯間ブラシを使うタイミングは、歯ブラシを使用する前がいいでしょう。なぜなら、歯ブラシで磨いたあとに歯間ブラシで細かい汚れをかき出すと、口腔内に汚れが残りやすくなってしまうからです。
また、歯間の汚れを落としてから歯ブラシを使用したほうが、フッ素などの歯磨き粉の有効成分を隅々まで行き渡らせることができるため、歯ブラシの前に使ったほうがいいと考えます。
歯間ブラシを使用する際は、歯肉を傷つけないように優しく動かしてください。使用後はよくうがいをして、歯間ブラシも洗浄しましょう。
歯間ブラシの使用頻度は毎日、毎食後が理想です。歯間には食べカスや汚れが残留しやすく、歯ブラシだけで落とせるプラークは6割程度といわれています。歯間ブラシを使用するとこにより9割程度までプラークを落とせるとされているため、虫歯や歯周病予防のためにも、毎食後の使用を推奨します。
もし、毎回使用する時間が取れない場合は、就寝前に必ず使用するようにしましょう。それは、就寝中は自浄作用のある唾液が少なくなり、菌が繁殖しやすくなるからです。就寝前に一日の汚れをしっかり取り除くようにするだけでも、歯周病や虫歯のリスクを下げることができますよ。
「いつまでもおいしく食べる」をモットーに、2015(平成27)年に宮城県大崎市に「まつむら歯科クリニック」を開院。歯周病治療などの予防歯科を中心とし、保険診療・審美歯科・ホワイトニング・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーション・訪問診療など、幅広い診療を行っている。
(Hint-Pot編集部)