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からだ・美容

意外に知らない電動歯ブラシのメリットとデメリット 手磨きとの違いも 歯科医師が解説

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

教えてくれた人:横引 良評

正しい使い方で歯磨きを(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
正しい使い方で歯磨きを(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 手磨きよりも楽に、そして短い時間でしっかり磨ける! と、今、電動歯ブラシを使う人が増えているそうです。回転式や音波振動、正しく磨けるようにガイドセンサーがついたものなど、各メーカーからさまざまな電動歯ブラシが出ています。実際のところ、電動歯ブラシと手磨きでは、どちらが良いのでしょうか? ヨコデンタルクリニック院長である横引良評歯科医師に話を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

電動歯ブラシのメリットやデメリット

 歯科医師から見た電動歯ブラシを使うメリットは、高速な回転や振動を利用して歯を磨くため、手磨きのときのようにゴシゴシと反復運動をしなくても良く、口腔清掃率が優れていることです。手磨き用の歯ブラシよりもブラシ部分の先が小さく、汚れが取りやすい形になっています。

 近年は機能がどんどん進化しており、種類も豊富です。歯磨きにかかった時間や、磨き残した部位などを記録する機能がついたアイテムも出てきています。そのため、そうした機能をうまく活用できれば、自身のブラッシング技術を向上させることもできるでしょう。

 一方でデメリットとしては、手磨き用の歯ブラシに比べ、費用がかかってしまうことが挙げられます。通常、市販の歯ブラシであれば100~300円程度で済むところ、電動歯ブラシだと1000円~3万円程度。そのうえ、ヘッドも基本的には1~3か月で交換するため、コストがかかります。

 そして先ほど、電動歯ブラシの機能が進化し、種類も豊富なことに触れましたが、これらがデメリットに転じる場合もあります。自分に適している歯ブラシがわからないと、汚れが取れているようで取れていない……ということが起こり得るのです。

 また、手磨きの歯ブラシと同じように力をかけてゴシゴシとブラッシングしてしまうと、歯や歯茎を傷つける可能性があるため気をつけましょう。

自分のリズムで磨けるのは手磨きならではの利点

 手磨きのメリットは、費用が安く抑えられることや、自分のリズムや感覚で磨けることです。また、歯ブラシの硬さややわらかさを選択できることなども挙げられます。

 一方で、自身の感覚に依存するため、力加減が適正かどうかわかりにくいことがあります。さらに使用している手磨きの歯ブラシの硬さが合っていない場合があるのも、デメリットになるかと思います。

電動歯ブラシも手磨きも ともに潜む「落とし穴」

 電動歯ブラシでも手磨きでも同様に、見落としがちな点があります。意外な「落とし穴」2つも心得ておきましょう。

 ひとつは歯磨剤です。研磨剤が多く含まれたタイプのものを用いて、力強く歯ブラシをゴシゴシと当てすぎないようにしてください。研磨剤入りの歯磨き粉は、ブラッシングで落ちにくい汚れを削り取ってくれますが、同時にエナメル質を傷つける場合も。毎日の歯磨きで歯や歯茎を傷つけてしまう可能性があります。

 もうひとつは歯間です。電動歯ブラシでも手磨きでも、歯と歯の間の汚れは取り切れません。歯ブラシだけでなく、歯間清掃器具(歯間ブラシやデンタルフロス)の併用を心がけましょう。

 電動歯ブラシで磨くのが良いのか、手磨きのほうが良いのか、または使う歯ブラシはどのようなものを選べば良いのかなど迷った場合は、歯科医院で口内を診てもらうことを推奨します。どのタイプの歯ブラシや歯磨剤を選び、どう磨けば良いかを聞いてみると良いでしょう。

(Hint-Pot編集部)

横引 良評(よこびき・りょうへい)

1988年生まれ、広島県出身。ヨコデンタルクリニック院長。歯科医師・社会福祉士・介護支援専門員。2023年、千葉県佐倉市ユーカリが丘地区に、ヨコデンタルクリニックを開院。保険治療からホワイトニング・マウスピース矯正・ワイヤー矯正・審美歯科・インプラント・義歯(入れ歯)・摂食嚥下リハビリテーションなど、幅広い治療を提供している。