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歯磨き粉に「濡れた歯ブラシ」「大量使用」はNG 歯科医師に聞く正しい使い方と選び方

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

悩みに合わせて歯磨き粉を選べば予防につながることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】
悩みに合わせて歯磨き粉を選べば予防につながることも(写真はイメージ)【写真:写真AC】

 虫歯や歯の黄ばみなど、自身の悩みに合わせた歯磨き粉を選んでいる人は多いでしょう。しかし、SNSの情報やドラッグストアに並ぶ商品を見て、どれを買うべきかを悩むことも。買うときや使うときにはどのようなことに気をつけたら良いのでしょうか。クレモト歯科なんば診療所院長の呉本勝隆歯科医師に、歯磨き粉の適切な選び方や使い方を伺いました。

 ◇ ◇ ◇

黄ばみや虫歯 悩み別で選ぶ歯磨き粉のポイントとは

 マスクなしで生活しているなかで、今まで以上に自分の歯が気になることもあるでしょう。歯の黄ばみには、着色汚れを落とすポリリン酸ナトリウムなどの有効成分が含まれている、いわゆる「ホワイトニング歯磨き粉」を活用しましょう。

 また、歯の汚れを落とす効果がある研磨剤入りのものもありますが、過度な使用は歯の表面のエナメル質や歯茎を傷付ける可能性が。その傷に歯垢(プラーク)がついて汚れが付着することもあるため、低研磨性のものを使うことをおすすめします。歯の黄ばみは、歯磨きだけではなく、ポリフェノールやアントシアニンなどを含む着色しやすい食事や飲み物、喫煙を控えるなど日常からの予防も大切です。

 虫歯予防のためには、フッ素が含まれた歯磨き粉を選ぶと良いでしょう。フッ素は歯のエナメル質を強化し、虫歯の発生を抑制します。また、エナメル質の再石灰化を促進し、酸や細菌から歯を守る効果も。

 しかし、セルフケアだけでは、歯の健康を守れない場合があります。磨くときの癖や使用した歯磨き粉の成分によっては、歯肉の色素沈着など口腔内のトラブルや虫歯、歯周病を引き起こす可能性もあるため、定期的な歯科検診が大切です。深刻な黄ばみや口臭などの悩みは、歯科医師や歯科衛生士による専門的なアドバイスを受けることをおすすめします。日常の歯磨きと併せて行うと効果的でしょう。

歯磨き粉の適量は? 歯ブラシは乾いたままが良い理由

 大量の歯磨き粉を使って磨いたほうが、予防に効果があるように思うかもしれません。しかし、たくさん歯磨き粉を使っても、ブラッシングの際に歯磨き粉が使い切れず、きちんと磨けなくなる可能性があります。

 歯磨き粉の適切な量は、年齢によって異なります。以下の量を参考にすると良いでしょう。

・6か月~2歳:3ミリ程度
・3~5歳:5ミリ以下
・6歳以上:1センチ程度

 また、歯磨き粉を使う際に、いったん歯ブラシを濡らしてからつけている人もいるでしょう。しかし、「しっかりとブラッシングする」という点で、歯磨き粉は歯ブラシが乾いた状態でつけることをおすすめします。

 理由は、歯ブラシを濡らすと泡立ちが良くなり、ブラッシングの効果がわかりにくいことにあります。そうするとあまり磨けていないのにもかかわらず、泡立ちの良さによってすっきりするので磨けたような気になり、歯磨きを終えてしまいます。

 歯磨きの目的は、歯の表面についた、もしくは歯と歯の間に入り込んだ食べカスなどの汚れ、虫歯や歯周病の原因菌が住み着いているプラークを取り除くことです。丁寧に行いましょう。

 悩みに合わせた歯磨き粉を選び、適切な量で正しく歯を磨くことで、日常的に口腔内における悩みの解消へ近づくことができます。ただし、虫歯などは早期治療が有効なので、繰り返しにはなりますが、歯の健康を長く保つためには定期的な歯科検診が大切です。

◇呉本勝隆(くれもと・かつたか)
医療法人時和会理事長。クレモト歯科なんば診療所院長。日本歯科保存学会専門医。WCOI(世界口腔インプラント会議)専門医。子どもから高齢者まで幅広い年齢の患者が通えるよう、さまざまな診療内容を扱う。重度の虫歯治療(根管治療)から、歯周病やインプラント、口腔外科、審美歯科、ホワイトニング、入れ歯治療まで対応している。日本口腔インプラント学会会員、日本歯科保存学会会員、日本歯内療法学会会員、日本歯科顕微鏡学会会員。
クレモト歯科なんば診療所:https://www.kuremoto-namba.com/

(Hint-Pot編集部)