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夫が1週間後、急に転勤することに 何もしない夫に離婚を意識した女性へ夫婦カウンセラーがアドバイス

公開日:  /  更新日:

著者:和栗 恵

教えてくれた人:夫婦カウンセラー・原嶋 めぐみ

夫の急な転勤でてんやわんや。その後、大事件が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
夫の急な転勤でてんやわんや。その後、大事件が(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 引っ越しを伴う転勤の内示は、早ければ早いほどありがたいもの。しかし、転勤する予定だった人が急に行けなくなるなど、準備期間なく転勤しなければならないこともあります。今回お話を伺ったのは、夫の急な転勤に苦労させられてしまった女性。家族そろっての転勤・引っ越しが原因で、「離婚」が頭によぎったといいます。

 ◇ ◇ ◇

同僚が突然休職 その煽りを受けたのは夫だった

 竹中真里さん(仮名・40歳)は、小学生の子ども2人を育てるママ。夫は全国に支店がある企業に勤めていますが、結婚してからはずっと都内の本社勤務でした。ところが数年前、突然辞令を受け、北海道へ転勤することに。

「驚いたのが、辞令から異動までの日程の短さです。会社から知らされたのは、なんと3月25日。4月1日から札幌支店に勤務するよう言われ、夫も顔面蒼白でした」

 真理さんの夫が突然、転勤になった理由は、北海道への異動が決まっていた同僚の家庭問題でした。同僚が介護休暇を取ることになり、引っ越しも困難に。その代役として白羽の矢が立ったのが、真里さんの夫だったのです。

「転勤自体は別にいいんです。でも、新学期まで2週間もないなかで諸々用意しろというのは、いくらなんでも無理難題すぎて……」

 仕事の引き継ぎがあるため、夫はひと足先に北海道へ。ビジネスホテルに泊まりながら仕事をし、新居を探すことになりました。

 東京に残された真里さんは、住んでいる家の契約解除手続き、住所変更手続き、パート先への退職手続きと謝罪、引っ越し会社の手配、荷造りなど、毎日朝から晩まで必死になって動き回りました。

「新しい学校への転入手続きは、引っ越し先の役所に転入届などを出さないとできないため、ひとまず通っていた学校に転校する旨を伝え、在学証明書など転校のために必要な書類を受け取りました。その後、実家の両親と弟に手伝ってもらって引っ越し荷物をなんとかまとめ、新学期が始まる前に北海道へ旅立てることになったんです」

 しかし、待てど暮らせど、夫から新居について連絡がありません。新しい職場に慣れるのに忙しくて、なかなか連絡を取る時間がないのだろうと我慢していたものの困り果ててしまい、問い詰めたところ驚きの言葉が返ってきたといいます。

「夫はいつの間にか、引っ越しに関することはすべて私がやっているものと思いこんでいたらしく、『で、引っ越し先はどこにしたの?』って言い出したんです。『東京にいるのに、探せるわけないでしょ!?』と、思わず怒りが大爆発してしまいました。子どもたちの学校が見つからないと困ってしまうというのに……」

 夫が北海道に行ってやったことは、自分の仕事だけ。真里さんは脳裏に「離婚したい」という言葉が浮かんだものの、現実逃避をしている場合ではないと思い直し、一念発起したそうです。

「子どもたちを母に預け、始業式が始まる2日前に慌てて北海道へ飛びました。移動しながらスマホで短期契約の部屋を検索し、なんとかすぐ入れる部屋が見つかったんです。転入届などはいったんそこの住所で提出することにし、近くの小学校で転入手続きを済ませました。夫は『会社まで30分以上かかる』とか文句を言っていましたが、スルーしていましたね」

 その後、引っ越し業者を手配して段取りを決め、子どもたちを連れて北海道へ。子どもたちが学校に通っている間に不動産会社をめぐり、1か月後、家族で住める部屋にどうにか入居できることになりました。

「引っ越し荷物を預かってもらうために倉庫を借りたり、役所の手続きが滞ったりで、本当に大変だったんですよ。母にもたくさん迷惑をかけたというのに、夫はヘラヘラ笑うばかり。『真里ちゃん頑張って~』とのんきに言われたときは『殺意って、こういうときに湧くんだなぁ』と実感しました」