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「父から『何をしているの?』と注意されました」 イタリア人が“逆カルチャーショック” 日本流を真似をして指摘されたこととは
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国や地域によって食文化は異なり、海外へ行くとその違いに驚くこともあるでしょう。日本では当たり前の食べ方だと思っていたことが、ほかでは一般的ではない場合も。イタリア出身の男性は、実家で食事中、日本人がよくやっている食べ方をして、父親から注意されたことがあるそう。いったい、どんな食べ方をしたのでしょうか。
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アニメがきっかけで日本に興味を持つように
イタリア出身のエドアルド・スフェッレッラさん。東京で暮らし、俳優として日本のドラマやテレビCMに多数出演しています。
日本のアニメがきっかけで、中学生の頃から「日本へ行きたい」と思っていたエドアルドさんは、2014年に念願かなって初訪日。40日ほどの日本旅行を楽しみ、すっかり日本に魅了されたそうです。
その後、日本で芸能活動を行うことを決意。独学で日本語を学び、興行ビザを取得し、2023年6月に日本へ移住しました。日本での生活は、もうすぐ丸2年になります。
イタリアにはないスパゲティの味
日本で暮らし始めた当初は、動物性の食品を一切食べなかったため、食事に苦労したというエドアルドさん。しかし今は慣れてきて、さまざまな日本の料理を楽しめるようになったそうです。
なかでも日本の料理で驚いたのは、スパゲティ。飲食店などでたまに食べることがあるそうですが、イタリアでは見ないメニューに出合ったこともあったそう。
「スパゲティナポリタンはイタリアでは見たことないです。ナポリタンだからイタリアのものだと思われているかもしれないけど、あれはアメリカ人が作ったものがもとになっているといわれていますよね」
ソーセージや野菜が入っていて、トマトケチャップで味付けされたスパゲティナポリタン。諸説ありますが、日本に駐在していたアメリカ兵がスパゲティにケチャップを和えて食べていたことから着想を得て、終戦後、日本で独自に進化させて誕生したものといわれています。
また、日本では専門店ができるほど人気のたらこ味のスパゲティについても「まだ食べたことないけれど、聞いたことはあります。海外で食べたものを、自分の国の味でアレンジするのは普通だと思うし、それには価値があると思います」と話します。
イタリアではスプーンを使わずに食べるのがほとんど
スパゲティの味だけでなく、日本とイタリアとでは、食べ方にも違いがあるといいます。それは、食べるときにスプーンを使うこと。日本では、レストランなどでスパゲティなどのパスタ料理を注文したとき、フォークと一緒にスプーンが配膳され、両方を使って食べる人が少なくありません。
ただ、イタリアではスプーンを使って食べるのは子どものみで、スプーンを使うのは一般的ではないといわれています。実際にエドアルドさんも、イタリアでスプーンを使って食べている人を、ほとんど見かけたことがないそう。
「自分が子どもの頃に聞いた話によると、イタリアのどこかの地方では、スプーンを使って食べるのがエレガントな食べ方とされていた時代もあったようです。だけど、現在のイタリアではスパゲティを食べるときにスプーンを使う人は、ほぼいないと思います」
イタリア人にとっては一般的な食べ方ではないものの、エドアルドさんはスプーンを使って食べることに抵抗はなく、「スプーンで作る形が好き」だと話します。しかし、実家に戻った際に、そのような食べ方をしたら、父親から指摘されたことがあったとか。
「イタリアでは子どもがやる食べ方だから、大人がやると行儀が悪いと見られる場合があります。僕はスプーンを使った食べ方が楽しいので、実家でもそうやっていたら、父から『どうして? 何をしているの?』と注意されました」
母国とは異なる文化を受け入れながら、日本での暮らしを楽しんでいるエドアルドさん。これからも、イタリアにはない、日本独自の食文化を堪能してほしいですね。
(Hint-Pot編集部)