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「日本へ行く2日前にロックダウン」 3言語が飛び交う家庭で生まれ育った日本人女性 YouTubeを始めたきっかけとは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ドイツ人の夫、2人の子どもたちとドイツで暮らす舞さん【写真提供:舞】
ドイツ人の夫、2人の子どもたちとドイツで暮らす舞さん【写真提供:舞】

 ドイツで暮らす家族の日々の様子を、YouTubeチャンネル「Trilingual Family ドイツ在住4人家族」で発信する舞さん。日本人とオランダ人の両親のもと東京で生まれ育ち、英語、日本語、オランダ語の3か国語が飛び交う家庭で育ってきたといいます。現在はドイツ人の夫と子ども2人の4人家族で、自身がそうだったように、家族間では3か国語が飛び交っているそうです。海外暮らしの転機となった学生時代のエピソードや就職、結婚、YouTube発信のきっかけなどについて伺いました。

 ◇ ◇ ◇

生まれ育ちも東京 英語とオランダ語と日本語が飛び交う家庭

 舞さんは、日本人とオランダ人の両親の間に生まれ育ちました。両親の共通言語は英語。オランダ人の母は、舞さんら子どもたちに対してはオランダ語で話し、舞さんたちは日本語で返答するなど、家族間のコミュニケーションでは3か国語が飛び交っていました。

 東京で暮らしながら、国際色豊かな環境で育った舞さんの転機は高校1年生、16歳のとき。ニュージーランドへ留学する決断をします。ただ、この留学は、どちらかというと“後ろ向き”な考えからだったそうです。

「物理がとても苦手だったんです。このままだと成績が悪くて高校が卒業できないと思いました。2人いるうちの姉のひとりが、ちょうどイギリスの大学に留学していたこともあって、『留学すればいいんだ』という安易な考えからだったんです」

 舞さんは、苦笑いを浮かべながら当時を振り返ります。とはいえ、高校での前例がなかったこともあり、事はそう簡単に進みませんでした。

16歳で“後ろ向き”な動機から決意した留学が転機に

 まず舞さんに求められたのは、なぜ留学したいのかを作文にして、全教師を説得すること。どうにかクリアすると、今度は成績が優秀でなければ認められないと言われてしまいました。

 そこで舞さんは、苦手な物理を克服すべく、毎日のように物理の先生のところに通って猛勉強。結果的に、卒業を危ぶむ存在だった物理が、得意科目になったそうです。

 紆余曲折を経て留学を認められましたが、留学先のニュージーランドでは、英語で物理を学ばなければいけないことに気づいたそう。

「人生に逃げ道はないんだなと思いました(笑)」

 苦手な物理から逃げるためという“後ろ向き”な動機で画策した留学でしたが、気づけば“前向き”な挑戦に。その後の舞さんの人生に大きく影響する、ターニングポイントになりました。