Hint-Pot | ヒントポット ―くらしがきらめく ヒントのギフト―

カルチャー

ドイツと日本の義務教育の大きな違い 長男の教育のためにイギリスからドイツへ移住も 頭を抱える事情とは

公開日:  /  更新日:

著者:Hint-Pot編集部

ドイツ人の夫、ふたりの子どもたちとドイツで暮らす舞さん【写真提供:舞】
ドイツ人の夫、ふたりの子どもたちとドイツで暮らす舞さん【写真提供:舞】

 日本人とオランダ人の両親のもと、東京で生まれ育ち、3か国語が飛び交う家庭で育った舞さん。現在はドイツで2児の母として暮らしながら、家族の日常や育児の様子をYouTubeチャンネル「Trilingual Family ドイツ在住4人家族」で発信しています。まもなく7歳になる長男ノアくんの教育について伺いました。

 ◇ ◇ ◇

コロナ禍を機にイギリスから夫の生まれたドイツに一家で移住

 就職先のイギリスでドイツ人のベンさんと出会い、結婚した舞さん。2018年に誕生した長男ノアくんと日本へ一時帰国する予定だった2020年3月に、新型コロナウイルスのパンデミックの影響でイギリスはロックダウン。ヨーロッパ内の往来が認められる一時期を除いては、夫の両親がいるドイツへの行き来もできなくなってしまいました。

 舞さんは、そのことが家族の「絆」や「今後」を考えるきっかけとなったとは振り返ります。

「あのときは、イギリスのEU(欧州連合)脱退、厳しい社会的、経済的制限が行われたパンデミックが重なって、正直なところ、イギリス人ではない私たちがイギリスに住んでいるのは肩身が狭い思いでいました。住み始めたころとは、取り巻く環境が大きく変化していました」

 長男ノアくんの教育についても頭をよぎり始めました。イギリスよりもベンさん家族のいるドイツに生活の拠点を移したほうが良いのではないかという結論に至り、2022年1月にドイツに引っ越し。パンデミックの収束が見え始めた同年9月、舞さんは5年半ぶりにノアくんと日本に一時帰国し、ようやく日本の祖父母に対面させることができました。

ドイツと日本の義務教育の違い

 現在、ドイツに住む舞さんの家族内では、ベンさんと舞さんが英語、ベンさんとノアくんはドイツ語、舞さんとノアくんは日本語でコミュニケーションを取っています。そのため、ノアくんは問題なく、舞さんの親や友人たちと日本語でのやり取りが可能です。

 舞さんは、今年7歳になるノアくんに日本の学校に体験入学をさせてみたいと考えています。ただし、実現させるためには、ドイツの教育事情ならではの“ハードル”があるようです。

「ドイツでは病気などの理由以外では、学校が休みのときにしか休ませられないのです。ドイツだと親の理由で子どもの学校を休ませると、虐待とみなされてしまうこともあります」

 できるだけ、日本の学校の夏休みや冬休みを避けてスケジュールを組みたいそうですが、ドイツの教育事情だとなかなか難しいのが実情のようです。

「長期休みと少しずらして、何日か休みを取ろうとするのは、とくに注意されます。2~3日休むと、お医者さんからの病欠の証明書が必要になることもあるので、いわゆる“ずる休み”はできないですね。10月に2週間くらいの秋休みがあるので、そのタイミングで一時帰国をしたいと検討しています」

「これからも成長の記録として残していきたい」

 コロナ禍で、遠く離れた日本やドイツの家族に、自分たちの様子や子どもたちの成長を共有したい思いから始めたYouTube。今では登録者数が3.5万人を超えるほどの人気チャンネルに。舞さん自身もなくてはならない生活の一部となっているそうです。

「これからも成長の記録として残していきたいと思っています。今はドイツに住んでいて家の中では日本語を話していても、なかなか日本に帰れないのが現状です。子どもが成長したとき、今と比べてどのくらい日本語を話せるのか楽しみでもありますし、また高齢になった私たちの親を子どもがいつまでも覚えていられるようにという思いもあります。あとから見返しても、『良い動画だったな』と思えるようなものにしたいです」

 これからもYouTubeを通して、家族の絆を紡ぎ続けていく――動画には、舞さん家族のやさしい時間が流れています。

(Hint-Pot編集部)