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「イタリアでは良くないマナー」 日本で食文化の違いに驚くも…イタリア人の友人に「何しているの?」と聞いた意外な共通点とは
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全国チェーンのイタリアンレストランがあったり、一般家庭でも作ったりするほど、日本で広く親しまれているイタリア料理。しかし、イタリア料理が浸透していくなかで、日本独自の味やマナーが進化してきました。日本で暮らして約2年のイタリア人男性は、ときどき日本のピザを楽しむそうです。そこで、味や食べ方のマナーの違いについて聞いたところ、意外な事実が浮かび上がりました。
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熱いものを熱いうちに食べる日本人にびっくり!
俳優として日本のドラマやテレビCMに多数出演している、イタリア出身のエドアルド・スフェッレッラさん。日本で生活し始めて、もうすぐ丸2年になりますが、移住当初は動物性の食品を一切食べない主義だったことから、食事にとても苦労したそうです。
また、食文化の違いに戸惑ったことも多々ありました。とくに驚いたのは、日本人が熱々の食べ物を好むことだったといいます。
「日本人は、料理が熱いうちに食べますよね。それにズズッと音を立てて食べます。イタリア人は猫舌で、熱いものは食べません。また、食べるときに音を出すのは、イタリアでは良くないマナーだといわれています」
エドアルドさんは、日本での暮らしになじんでいくなかで、食べられるものが徐々に増えていきました。そして「今では熱いものを食べるときに音を立てるようになりました」と笑います。
「日本のピザは焼き加減が足りない」
日本には、イタリア料理店がたくさんあります。エドアルドさんもときどき、日本のイタリア料理店でピザを食べるそう。日本の味をどのように感じているのでしょうか。
「日本の店には、イタリアで勉強したシェフもいれば、イタリアで修行していないけれどおいしいピザを作っているところもありますね。ただ、見た目は良くても、日本のピザは焼き加減が足りないと感じることが多いです。また、トマトソースが生っぽい場合もけっこうあると思います」
また、日本では宅配ピザが身近です。エドアルドさんも、アメリカのピザチェーン店のものを日本で食べたことがあるそうで、そちらは「イタリアのピザとは別物ですね」と断言しました。
ピザの食べ方はイタリアも日本も同じ?
イタリアと日本とでは、ピザの食べ方にも違いがあるといわれています。日本では、切ったものを手で持って食べることが多いでしょう。一方、イタリアでは、ナイフとフォークを使うイメージがあります。
しかし、エドアルドさんは「イタリアでもほとんどの人が手で食べていると思いますよ」といいます。
「僕の友達にはナイフとフォークを使っている人もいますが、僕は『何しているの?』と言っています。ナイフやフォークを使ったほうが『ゆっくり食べられる』という人もいますが、僕は手で食べても良いと思っています」
また、イタリアでは1人1枚食べるのが一般的だと耳にしますが、エドアルドさんによると、日本のようにシェアすることもあるそう。
「日本人にとっては、1人で1枚は多いかもしれないですね。とくに、アメリカタイプのピザはボリュームがあるから、シェアしなければ食べ切れないかもしれません。でも、イタリアのピザは軽いから、1人で1枚食べられるんじゃないかな」
味の違いはあるけれど、おいしいものを自由に楽しみたいと考えているエドアルドさん。マナーに縛られず、日本のスタイルにすっかり慣れた様子でした。
(Hint-Pot編集部)