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「医者半分、ユタ半分」 外国人観光客が注目する意外な沖縄の文化 たどり着く“気づき”とは
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沖縄のユニークな精神文化のひとつ、「ユタ」と呼ばれる人々をご存じでしょうか。近年、このユタの文化を体験できるアクティビティが外国人旅行者の人気を集めています。ユタ文化体験の人気ぶりが示す、国籍や文化の違いを超えた普遍的な価値とは、どのようなものなのでしょうか。
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ユニークな信仰を持つ沖縄
美しい海や人々のおおらかな気風に惹かれて、国内外から多くの観光客が集まるリゾート地・沖縄。諸外国との交流などから、独自の歴史や文化を形成してきたため、本州とは異なるユニークな精神文化を持つ土地でもあります。
たとえば、「御嶽(ウタキ)」と呼ばれる聖地が数多く存在しています。首里城とともに、2000年にユネスコ世界文化遺産に登録された「斎場御嶽(せーふぁうたき)」をご存じの人は多いでしょう。本州にある神社やお寺とは趣が異なり、社殿などが建てられていないのが特徴です。
そのほかにも、海の向こうに「ニライカナイ」と呼ばれる別世界があり、亡くなった先祖が現世を行き来するという伝承があります。これは「ニライカナイ信仰」とも表現されます。
また、NHKの連続テレビ小説「ちゅらさん」で、全国的に認知が広まった沖縄の“おばぁ”。その強くおおらかなイメージの根底には、女性が男性よりも高い霊力を持ち、男性を守ると考える「ヲナリ神信仰」があります。
なかでも、沖縄の社会に深く浸透しながら継承されてきているのが、ユタと呼ばれる人(大多数が女性)の存在です。ユタは、ご先祖の声を受け取って、生きている人間に伝える力を持っていると考えられています。
日常生活から人生の悩み事まで、さまざまな個人的問題に導きを与えることから、沖縄には「医者半分、ユタ半分」という言葉が浸透しています。石垣島出身のアーティスト・BEGINの曲のタイトルにもなっているほどです。