ライフスタイル
「アメニティを持ち帰る人ほど、家が散らかっていることが多い」 掃除のプロが持ち帰りをおすすめしないものとは
公開日: / 更新日:
教えてくれた人:伊藤 まき

ホテルや旅館に用意されている「アメニティ」。あなたは持ち帰る派ですか? それとも持ち帰らない派ですか? 整理収納アドバイザーとして、数々の「片づけられない家」を見てきた伊藤まきさんは、「アメニティを持ち帰る人ほど、家が散らかっていることが多い」と警鐘を鳴らします。そこで今回は、アメニティについておさらい。持ち帰っても良いものといけないものを教えていただきました。
◇ ◇ ◇
消費期限があるアメニティも
私がこれまでに見た、片づけられずに悩んでいる方の家には、ホテルや旅館からもらってきたアメニティがたくさん取ってあることが多くありました。「もったいない」という気持ちが先に立ち、ついついもらってきてしまうのだと思います。
しかし、こうしたアメニティには消費期限があり、製造から3年程度で使えなくなってしまいます。とくに化粧水や乳液、ヘアオイルといった肌に直接使うものは、成分が変質して肌荒れのリスクがあるので、その場で使わないようであれば、持ち帰ることはおすすめしません。
また、こうしたアメニティは個包装のものが多く、増えてくると収納する場所を取ってしまいます。以前おじゃましたご家庭では、こうしたアメニティが段ボールいっぱいになっていたことも。害虫の棲み処になってしまうので、アメニティはできる限り持ち帰らないことを、おすすめします。
ちなみに、持ち帰った後に使う可能性が高いのは、「歯ブラシ」と「使い捨てスリッパ」の2点。使用期限がないものなので、防災用としてストックしておいてもいいでしょう。また、使用済みの歯ブラシは、捨てずに持ち帰り、自宅で排水口の掃除などに使うとエコです。掃除に使う際は、ブラシの先を斜めにカットすると、使いやすくなります。
持ち帰れないアイテムもあるので注意を
海外の観光客が、ホテルや旅館の備品である家電を勝手に持って帰ってしまった、なんて話題がニュースに上がることもありますが、実は日本人の中にも、同じような過ちを犯している人が少なくありません。備品の持ち帰りは、「窃盗罪」に問われることもあるので、注意しましょう。
持ち帰りOKなアメニティは、概ね下記のようなアイテムになります。持ち帰って良いか迷った場合は、必ずスタッフに確認するようにしましょう。
・歯ブラシ、および、歯ブラシと同じ袋に入っている小分けの歯磨き粉
・カミソリ
・ミニボトルやパウチに入った、シャンプー、コンディショナー、ボディソープ
・ミニボトルやパウチに入った、化粧品(化粧水、乳液、化粧落としなど)
・個包装されたヘアブラシ、ヘアゴム、ヘアーバンド
・シャワーキャップ
・個包装されたボディスポンジ、ボディタオル(体を洗う際に使うもの)
・個包装された薄手のフェイスタオル
・個包装されたコットン、綿棒
・使い捨てスリッパ、使い捨ての靴下等
続いて、持ち帰り不可の備品は下記のようなものになります。
・テレビ、ヘアドライヤー、ポット、時計、小型冷蔵庫、充電器などの家電製品
・備え付け(ボトル等に入った)のシャンプー、コンディショナー、ボディソープ
・備え付け(ボトル等に入った)の化粧品、洗顔料、スキンケアアイテム、消臭スプレー
・バスタオル、フェイスタオル、バスローブ
・寝具やリネン類、座布団
・浴衣、帯、半纏、パジャマ、館内着、館内持ち歩き用バッグ
・部屋に飾られたアート
・ハンガー、靴べら
・テーブルに置かれたメモ帳やボールペン
・湯呑茶碗や急須、コップなどの食器、栓抜きやカトラリー
・トイレットペーパー、ティッシュペーパー(箱に入っているもの)
・情報誌や聖書などの書籍類
・使い捨てではないスリッパ
上記のほか、あきらかに備品とわかるものは持ち帰らないように注意を。また、アメニティがロビーにまとめて置いてあり「ご自由にお使いください」などと記載されている場合でも、大量に持ち帰るのはNGです。節度をもって、旅を楽しみましょう。
(和栗 恵)