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「なんでだろうね?」初来日のアメリカ人が雨の東京を歩いて感じた疑問 「フロリダでは見たことないよ」
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日本では常識でも、海外から見ると、実はレアケース……ということはよくあります。アメリカ人のプレストン・サイモンさんは日本を旅行してたくさんの“文化の違い”を発見したそうです。詳しい話を聞きました。
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日本には「うわ、すごいな」と思うことがたくさんある
プレストンさんは一家5人でフロリダ州タンパから来日し、初めての日本への家族旅行を楽しみました。東京のほか、京都や富士山、河口湖などにも足を運び、その先々で、日本とアメリカの文化の違いを感じたそうです。
インタビューは都内で行いました。日本のいいところをたくさん聞いたので、「変だな、と思ったことは何かある?」と尋ねました。
すると、「うーん、正直に言うと、全部の習慣がむしろ良いと思う。たとえば信号が青になるまでちゃんと待ってから横断歩道を渡るとか。アメリカでは、車が来てなかったら勝手に渡っちゃうけど、こっちではきちんと待つでしょ。それって『変』というより『良い』ことだと思うよ。信号が赤でも車がいなければ渡りたくなる気持ちはあるけど、それでもやっぱりルールを守っているのは素晴らしい」。
ほかにもありました。
「たとえば、お辞儀をする時に、ずっとお辞儀し続けるよね。こっちが去ろうとしても、向こうもずっとお辞儀している。でも、リスペクトの気持ちは理解できるから、変ではないんだよね。なるほど、って感じ。日本に来たのが初めてだから、『うわ、すごいな』と思うことがたくさんあるんだ」
滞在中に、母国と異なる違和感を感じる場面はあっても、その意味をよくよく考えると、理にかなっていると気づくことが多かったそうです。
そして、もう一つ、印象的なことがありました。
取材日はあいにくの天気で、外には小雨がパラつくこともありました。
原宿で買い物を終えて戻ってきたプレストンさんはハッとした表情を浮かべました。
「日本人って傘が好きだよね。でも、アメリカ人はあんまり傘が好きじゃないんだ」
現在、日本では梅雨の季節を迎えています。百貨店では、目につくコーナーに色とりどりの傘が売られ、1年を通じて人気です。
少しでも雨が降るようなら、一斉に傘が開くのはおなじみの景色でしょう。
しかし、アメリカでは状況が異なります。
「フロリダではあんまり傘を使わない。雨はよく降るけど、傘を差すことはない。実は傘すら持ってないかも。なんでだろうね? 傘差さないんだよ。ただ雨に濡れるだけ(笑)」
雨で少し濡れる程度なら、全く気にしないのがアメリカ人です。
「街で傘差してる人なんて見たことないよ。僕が住んでるタンパのダウンタウンでは、傘差して横断歩道を渡る人なんていない。ほんとに、見ない」
実は“傘大国”というのも日本の文化です。傘のみならず、わずかでも濡れることを防ぐため、長靴を履いて出勤する人もいます。
もちろん、これも「変」という意味ではありません。言葉にするなら、国民性の違いと言えるでしょう。
「フロリダでは外に出るのをやめるか、走って通り抜けるか、車に乗っちゃう」と、プレストンさんは苦笑しました。
(Hint-Pot編集部/クロスメディアチーム)