7月12日は「人間ドックの日」。一般的に、40歳を過ぎたら毎年、定期的な人間ドックの受診が推奨されています。ただ、いざ受診するとなった際に、オプション検査を一緒に受けるべきか迷う人も少なくないでしょう。ホルモンバランスの変化や、ストレスによる体調のゆらぎが出やすい40代女性が選ぶべき、オプション検査とは？　予防医学にも力を入れている四谷内科・内視鏡クリニックの総合内科専門医の高木謙太郎院長に伺いました。

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更年期症状がちらほら…40代女性に起こりやすい体の不調

　40代女性の体は、ホルモンバランスの変化や代謝の低下により、さまざまな不調が現れやすくなっています。

　とくに、エストロゲンの分泌が減少することで、気分の浮き沈みや疲れを感じることが増えるほか、基礎代謝が低下し、太りやすくなる傾向もあります。また、骨密度が低下していき、骨粗しょう症のリスクも高まります。

　それ以外に、この年代で現れやすい不調として挙げられるのが、倦怠感や肩こり、腰痛、消化不良など。さらに更年期症状として、のぼせやほてり、動悸に悩まされるケースも増えます。

　こうした体の変化に対応するためには、バランスの良い食事や、適度な運動を心がけることが重要です。栄養面では、たんぱく質やビタミン、ミネラルを意識的に摂取すること、そして腸内環境を整えることが、健康維持のポイントになります。

　また、ストレス管理にも注意が必要です。自律神経のバランスを整えるために、リラックスできる時間を確保し、十分な睡眠をとるよう心がけましょう。日々の生活習慣を見直し、これらの対策を取り入れることで、健康な体を維持しながら、快適に過ごすことができます。

40代女性が受けるべき、人間ドックのオプション検査3つ

　40代は、健康管理の転換期でもあります。人間ドックの受診を考えている人もいるでしょう。その際、オプション検査を追加できますが、自分に何が必要なのか、選ぶのに迷うこともあるかもしれません。医師の立場からいうと、40代女性であれば、以下に挙げる3つのオプション検査必ず受けることをおすすめします。

1. 乳がん検査（マンモグラフィー・乳腺超音波検査）
　乳がんは、40代から発症リスクが高まります。そのため、定期的な検査が欠かせません。マンモグラフィーでも乳腺の状態を詳しく調べることができますが、乳腺の密度が高い人なら、乳腺超音波検査も併せて受けることをおすすめします。

2. 子宮がん検査（子宮頸がん・子宮体がん検査）
　子宮頸がんは、比較的若い世代からリスクがある病気ですが、40代では、子宮体がんの発症率も上昇します。そのため、定期的な細胞診（編集部注：子宮頸がんは子宮頸部から、子宮体がんは子宮内膜から細胞を採取して調べる検査）や、HPV検査（編集部注：採取した子宮頸部の細胞から、子宮頸がんの原因となる、HPV〈ヒトパピローマウイルス〉に感染していないかを調べる検査）を受けることが、病気の早期発見につながります。とくに不正出血などの症状がある場合は、オプション追加しましょう。

3. 胃がん・大腸がん検査（胃・大腸カメラ検査）
　40代になると、胃がんや大腸がんのリスクが上昇します。胃カメラは、胃内の病変を直接確認することができる検査です。ピロリ菌（ヘリコバクター・ピロリ）は胃の粘膜に生息する細菌で、慢性胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの発症にも関与するので、感染の有無を調べておきましょう。また、大腸カメラも、がんの元となるポリープの有無を調べられる非常に有益な検査です。過去にピロリ菌の感染を指摘された人や、家族にがんの既往歴がある場合はとくに、追加検査として受けるのが良いと思います。

【参考】
健診会東京メディカルクリニック　人間ドック検診センター
https://www.dock-tokyo.jp/planlist/cervical-cancer-screening.html

四谷内科・内視鏡クリニック
https://www.yotsuya-naishikyo.com/pylori/

（Hint-Pot編集部）