からだ・美容
乳がん患者の長く続くホルモン治療 更年期のようなホットフラッシュの副作用も
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2月に乳がん罹患が判明。3月には右胸を全摘し、現在は薬物療法を行っているライターの島田みゆさん。さまざまな情報を調べて学び、気づきを得ながら治療に取り組んだ今年はまさに激動の1年でした。そして、治療と同時進行で始めたこの連載。背景には、「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」との思いがあります。今回は、約3か月間にわたった抗がん剤治療を経て、その後に始まったホルモン療法についてです。島田さんの場合、抗エストロゲン薬の投薬が最低5年間に決まったそうです。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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術後の抗がん剤治療を経て、ホルモン治療へ
約3か月の抗がん剤治療後、ホルモン療法がスタートすることになりました。女性ホルモン、具体的にはエストロゲンの働きを低下させることでがん細胞の増殖を抑え、今後の再発や転移を予防するのがホルモン治療。期間は5~10年間と、長期的に続けるものです。
私の場合は、まず最低5年間のホルモン療法を行う必要があり、抗エストロゲン薬の「タモキシフェン」を1日1錠飲み続けることに。術前の説明では、卵巣で女性ホルモンが作られるのを抑える注射が加わることもあると言われていましたが、抗がん剤治療の過程ですでに生理が止まっていたこともあり、最終的には「5年間、1日1回薬を飲む」のみとなりました。
ホルモン療法にも副作用がある
ホルモン療法の副作用は、抗がん剤に比べると比較的軽いとされていますが、薬なのでまったくないというわけではありません。
一般的には更年期に近いような症状で、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗)や無月経、不正出血、気分の落ち込み、倦怠感などが出ると言われています。こうした副作用の程度もやはり人それぞれで、日常生活がままならないほど大きいこともあれば、特に気にならないほど軽いこともあります。