からだ・美容
抗がん剤治療中はどんな生活? 乳がん手術後の39歳女性が語る食事・仕事
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ライターの島田みゆさんは、39歳の誕生日を迎えた直後の今年3月末に右胸の全摘手術を受けました。乳がんの罹患が判明した翌月のことで、もちろんすべてが未知の体験。そして現在は「世の女性に乳がんのことを知ってほしい」と、薬物療法を受けながらこの連載を続けています。今回は抗がん剤治療中の生活について。人によっては倦怠感や脱毛などの副作用もありますが、実際に島田さんが気をつけたことは何だったのでしょうか。(監修:みやびクリニック院長 日本乳癌学会乳腺認定医 矢加部文医師 ※本記事は調べた情報や担当医の話などを基に筆者が執筆した内容を、専門医が改めて監修したものです)
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体調が良ければ、生活面での制限は特にない
抗がん剤治療中は、自分の体調さえ良ければ基本的に何をしてもOKです。人によっては初回のみ入院で様子を見るケースもあるようですが、私はすべて通院だったので、投与日以外は通院もなしでした。
医師からは「1週間から10日くらいは副作用がいろいろあって体調がつらいので、大事な予定などは入れず仕事は休むという方。次のクールまでの最後の1週間は体調が良いという方が多いです」と言われていました。体調が良くて、本人さえ大丈夫であれば、仕事はもちろん、旅行にだって行ってもいいのです。
最も注意すべきは免疫低下 白血球の低下で感染症や風邪のリスクが
ただ、生活の中でいくつか気をつけなければいけないことはあります。一番は白血球の低下による感染症や風邪などです。
白血球(主に好中球)は、体に入った細菌やウイルスと戦って守る作用を担ってくれているので、免疫に大きく影響します。この白血球が、抗がん剤の投与1~2週間後くらいのタイミングで極端に少なくなり、免疫が下がってしまうのです。いつもなら何ともないことでも、この期間は思わぬ感染症にかかることがあるので、そうしたリスクが高い行動をしたり、そうした場所に行ったりするのは控えるようにと言われていました。
また、下がった白血球は3週目くらいに増えてきて、これが正常値近くまでしっかり戻れば、次のクールの治療ができるという一つの目安にもなります。せっかくなら治療計画通りに進めたかったので、リスクになりそうな物事は努めて控えていました。
食事の制限も特になし 基本はやわらかくて消化の良いもの
食べ物の制限については、特にありませんでした。「できれば生ものを控えるように」と言われたくらいですが、これも特に問題ないというケースもあるようなので、絶対ではありません。
実際に1回目の抗がん剤治療後、2クール目の直前に、仕事でどうしても海鮮のお店に行かなければならないことがあって、しっかり海鮮丼を食べてしまいましたが大丈夫でした。
ただ、私は元々お腹があまり強くなく、何かにつけて下す体質だったので、「人一倍気をつけなくては」と治療中に生ものを食べたのはその1回のみ。基本的にはやわらかくて消化の良いものを摂るようにし、刺激の強い香辛料やスパイス、カフェインなどは控えていました。