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7年ぶりに受けた人間ドック 予期せぬがん告知を受けた57歳男性 定期健診の重要性を痛感

公開日:  /  更新日:

著者:芳賀 宏

定期的に受けておきたい健康診断(写真はイメージ)【写真:PIXTA】
定期的に受けておきたい健康診断(写真はイメージ)【写真:PIXTA】

 国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」によれば、日本人の2人に1人ががんに罹患するといわれる時代。早期発見の大切さはわかっているけれど、日常の忙しさにかまけて、検査を受ける機会を先送りにしている人も少なくないでしょう。新聞記者を辞め、第二の人生として「地域おこし協力隊」として活動していた57歳の芳賀宏さんは、任期が終わるタイミングで受けた人間ドックで「腎臓がん(腎細胞がん)」が判明。次へのステップを準備していた矢先のことでした。芳賀さんの体験談をお伝えします。

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気軽な気持ちで人間ドックを受診

 きっかけは軽い気持ちでした。長野県東部に位置する立科町で「地域おこし」協力隊として活動し、2024年4月末に任期が修了すれば国民健康保険に切り替わるため、「健康保険組合の補助が受けられるうちに人間ドックでも受けておこう」と考えたのです。前回受けたのは50歳のときで、7年ぶりの人間ドック。2023年12月に申し込み、近隣の小諸市の総合病院に予約できたのは今年2月29日。「けっこう混んでいるんだな」と感じました。

 昨年、その病院で尿路結石の破砕手術を受けるため入院しましたが、それ以外は大病をしたこともなく、不調を感じたこともありません。ただ、昔年の不摂生に後ろめたさもあったのは事実です。過去には、十二指腸腺腫は疑いで済んだものの、大腸ポリープ切除など不具合が判明したこともありました。「協力隊」では農作業など健康的な生活が中心だったとはいえ、28年間の記者時代は不規則な生活が当たり前。年齢を重ねれば、何もないほうが不自然なのかもしれません。

 精密検査で1項目ずつクリアして、最後に残ったのが腎臓でした。エコー(超音波)検査で左の腎臓に嚢胞(のうほう)という水袋のようなものが見つかったのです。

 泌尿器科の医師は「ちょっと怪しいので詳しく調べましょう」とCT(コンピューター断層撮影)検査を実施。さらに、設備のそろった佐久市の病院を紹介されMRI(磁気共鳴画像装置)の検査を受けることになりました。